2021/04/16
【岡山】「次は農業とのコラボ? 稲作の苗床プールの下地として採用」白石建設

岡山県倉敷市真備町はあの西日本豪雨災害の被災地。以前より倉敷市や一般のご家庭から水害対策機能を持つドライテックへの問い合わせが寄せられたが、今回の採用理由は非常に珍しい。「次は農業とのコラボ? 稲作の苗床プールの下地として採用」。
製造:白石建設(担当:吉田美香)
決め手は勾配と温度管理
(以下、白石建設武南社長からのシェア原文ママ)
①経緯
取引会社からドライテックの注文ーー(倉敷市真備町(大雨災害があった地域))
②内容
プラントから1時間位の現場に4t車で10m3 材料を切らさず配達して欲しい。
4tで10m3は5台車が必要であり、当社からの配達は困難であり、大型でダンプにセドリして小運搬なら可能であると提案。→物理的に難しいのでなんとか暇な日にミキサーでお願いしたい。
③施工
施工者8名でネコ車4台でプレート施工。当日は晴れ20度を超える暖かい午前中。
④施主
稲作用の苗床のプールの下地として使用を検討している。理由(従来防草シートの上に横幅1.5m長さ4.5mくらいのビニールのプールを作成しており、下地に水勾配が緩やかだがついており、深さ7~8㎝のプールだと水がかたよりプールとしての機能が損なわれる。そこで、ドライテックを採用した。且つ、苗床の水温が上がらないことを期待し気化熱で温度も下げれるんではないか?という期待もこめている。)
⑤発注経緯
インターネット検索で生コンポータルのブログを拝読し、庭コンを知った。庭コンで業者選定。ブログで真備町について宮本氏が書いていて当社井形の気概をみて採用とのことでした。
もともとプール下地は雑草対策のため防草シートが設置され排水上勾配(傾斜)がつけられていた。
苗床用のプールに水をはるとそのなだらかな勾配が仇となる。
深さ7〜8cmの浅いプールだと片方に水が偏りプールとしての機能が損なわれる。
そのため、勾配をつけず真っ平らにしても排水が保全されるドライテックを採用した。
(無論、防草効果もある)
さらに、プールの水温調整も課題となっていた。
ポーラスコンクリートであれば自由に空隙を伝って水と空気が流通する。
そのため気化熱効果で下地温度を下げることができる。
夏場の温度上昇の抑制効果も期待した。
施工After。
平らなプール下地の完成。
防草シートは色も黒だし樹脂製品だから熱を持つのに比べればポーラスコンクリートは色も白く通気性もあるのでこの夏の性能発揮がとても楽しみだ。
ちなみにご当地は真備町の観光名所毘沙門立像のある丘の麓となっている。
プールとして使用しない時期には観光客向けの駐車場としての利用も予定しているそうだ。
ぜひ一度訪ねてみたい場所だ。
異業種の視点から見たポーラスコンクリートは変幻自在
やはり、ものづくりの担い手がそのモノの評価や判定をしてはならない。
唯一絶対の評価者は市場と顧客。
プロダクトは使う人が評価する。
自己満足や思い上がりであってはならない。
今回もまさかの利用方法で改めてそのことを思い知った。
ballaholicとの協業もそうだ。
⚫︎参考記事:「いよいよモニター販売開始!《ballaholic》のバスケットコート完成!」
プロダクトは市場と顧客にさらすことによって作り手が想像もしなかったような機能や性能を発揮する。
作り手が勝手に性能や機能を想定し顧客に押し付けてはならない。
だから、謙虚に現場にお伺いし、実際に使用される生の声をヒアリングし、肌で感じたその価値を伝えられる形にして伝える(情報発信)。
そのことで、同じようにその性能を必要としている人につながり、新たな市場が広がっていく。
まさかの、農業とのコラボレーション。
バスケットボールの次は、農業、次は、林業か、あるいは宇宙開発か笑。
何が起きてもおかしくないような気になってくる。
21年前に生コンに入職した当時にはとても想像できないようなことが次から次へと起こっている。
閉鎖的な生コンといえど、やはり社会の構成要素の1。
だから、積極的に社会に参画することで低迷する市場にも活路が見出されてくるのだと思う。
最近なんか金融とも絡むようになった。
本当に何が起きるかわかったもんじゃない。
だから、普段からとにかくチャレンジチャレンジ、自分の専門分野(強み)を忘れず、そこから離れないで、いろんな物事を見聞していきたい。
そして、それをそのままにしておくのではなくて、伝えられる形にして、伝えていきたい。
その連続が今のドライテックを作ってきたのだから。
「次は農業とのコラボ? 稲作の苗床プールの下地として採用」
まじで、想像つかなかった。
とても面白い、スリリングな事件です。
これだから、仕事はやめられない。
宮本充也