2018/11/24
「なんすかそれ?【犬走り】も【水勾配】も使わない言葉」

僕たちはよく使う「犬走り」とか「水勾配」って言葉。土間コンクリートの見た目とかも、とにかく専門家としての視点から。僕たちにとっては当たり前の土間コンクリートもお施主さんにとっては実は「一生に一度考える」程度。そこを意識して提案したい。
なんすかそれ? 一般の人は【犬走り】も【水勾配】も使わない言葉
◼️犬走り
※Google画像検索より引用。
犬走り(いぬばしり)とは、垣と溝の間や土手の斜面に設けられた細長い通路や平地部分。犬が通れるくらいの幅しかない道という意味合いから呼ばれる。(Wikipedia)
◼️水勾配
※同じくGoogle画像検索。
水勾配(みずこうばい)とは、雨などが流れるようにするための勾配のことをいう。
バルコニーには水勾配が必要とされている[1]。(Wikipedia)
僕たちは日頃から無感動に使っている言葉。
・犬走り
・水勾配
ないだろうか。
当たり前に使っている言葉を口に出して、
「?」
な反応が返ってきたこと。
なるべくわかりやすく一般にも伝えられるように。
何か新しい価値を世間や市場に問う場合。
とても大切な感性。
これまでそう教わってきた。
専門馬鹿になっちゃいけない。
こちら(専門家)にとって当たり前と思っていること。
あちら(お施主さん、一般)にとっての当たり前。
この溝にチャンスが色々と眠っていると僕は日頃から感じている。
ちょっとゴツゴツしすぎ?
※こちらは、「犬走り」によく利用される透水性コンクリートのドアップ写真。「水勾配」が取れないなど、狭い敷地で有効な手段。
よく、専門工事店の方から寄せられる声。
「ちょっとゴツゴツしすぎ?」
透水性コンクリートに初めて触れた専門家の声。
もちろん、新しい技術。
新しい、工法。
初めての価値についてはそれなりに検証をすべきだ。
リスクももちろんある。
変なものをお施主さんに提案して面倒に巻き込まれるのは困る。
だから、しげしげと間近で眺めてみる。
ただ、ちょっと待って。
土間コンをそんな間近で眺めることってある?
家を建てて駐車場を整備した人なら知っているはず。
土間コンクリート。
ただ、一般に土間コンクリートを意識して暮らしている人はいなかろう。
通勤の時毎日踏んでいるそれ。
意識するのは工事の時くらい。
普段は目の端に触れても意識に登ることもない。
そんな存在。
※おそらくこのくらいの視点から眺められるのが土間コンクリートという地面だろう。
ごつごつしている。
つまり、砂利がそのまま輪郭を現している。
だから、水を通す。
透水性を有している。
それが、透水性コンクリートという土間コンクリートの価値。
※ごつごつの隙間から水が垂れ落ちていく。まるでザルのように。
見た目じゃない。
そして、そんなに間近でみることなんてない。
それが土間コンクリート。
専門家と一般の間にある溝。
「犬走り」も「水勾配」も。
普段、一般の人にはほとんど意識されない存在。
それと同じように、
土間コンクリートもまるで一緒。
意識されることなんかない。
近視眼というか。
僕たち専門家が土間コンクリートを考えている時間が1000だとすると、
きっと一般の人たちにとっての土間コンは0.1くらい。
いやもっと少ないかも。
僕たちにとってのあれこれは、
実はお客さんにとってはどうでもいいことなのかもしれない。
それを埋めるのが、
百聞は一見に如かず。
実物を見てもらう。
(生コンポータルでは「施主と巡るツアー」を始めます。https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/_in_8.html)
当たり前を疑ってみる。
すると、新しい価値の提案につながる。
専門性と一般。
そのギャップの中に埋もれる色々な価値。
今一度疑ってみよう。
僕たちが「当たり前」だと思っていること。
そこに、お施主さんにとっての「すばらしい!」が眠っているかも。
生コンでいいこと。
宮本充也