2019/09/08
「ツメアスはいかが?」真冬でも熱中症対策の道路会社への提言

「真冬2月に熱中症対策グッズを最も買う産業」。9月に入り次第に忘れかけていく酷暑・熱中症は道路会社にとっては秋・冬でも関心事。完成直前でも70度以上の材料を使った舗装工事。冷たいアスファルト「ツメアスはいかが?」
冷たいアスファルト「ツメアスはいかが?」
185度の材料を敷設(ふせつ)してその上での作業。冬の熱中症対策はおろか、これ、夏場どうなってんだ?(出典https://swp.twain.jp/JCM/new_07ronbun/12/12r-42.shtml)
熱中症対策グッズが真冬にも売れる。
とある建設系メディアの役員の方から聞いてはっとした。
あまり話題になることもない。
ネット検索してもことさらに取り上げている記事も見当たらない。
ある意味業界の闇の1つなのかもしれない。
夏場の舗装工事。
これだけ熱中症が話題となったここ数年の夏の暑さ。
一般人や建設作業員が熱中症で倒れたなんてニュースはよく聞くが、一体全体100度をゆうに越す材料を大量に敷設する舗装工事はどうなってんだ?
画像からは残念ながら「温度」は伝わってこない(出典https://www.hosou-omakase.com/flow_gallery/gallery-1369-26262.html)。
最近「アスファルト工事によく似ているね」って言われる透水性コンクリート。
道路会社のガイアートの手により施工される透水性コンクリート。こちらも画像からは「温度」は伝わってこない(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_850.html)。
生コンの温度は何度以下?
JASS5や標準示方書において、生コン荷下し時点でのコンクリート温度は35℃以下としている。
35度ルール
これが、生コン・建設における常識。
「生コンは35度以上になるといけません」
生コンパーソン初級編とも言えるルールだ。
一方、アスファルトは185度以下。
35度
185度
150度もの開きがある、生コンとアスファルト混合物。
「夏場に施工したいのどっち?」
もう、答えるまでもなかろう。
なんで、みんなワイヤーメッシュ敷いてるんだろ。
どうして夏場なのにアツアツの舗装材料を使ってんだろ。
人は、思考停止が心地よい生き物だ。
何も考えず前例踏襲。
前例や常識を覆すのは並大抵のエネルギーではいかない。
でも、少しずつ。
民間外構(エクステリアなど)という流動性の比較的高い分野で今イノベーションが生まれつつある。
暑い時期に150度も低い温度の透水性コンクリートで施工する。
人呼んで、ツメアス(冷たいアスファルト)。
徐々に涼しくなっている。
喉元過ぎれば来年も同じようにあつあつのアスファルトに苦しむ。
一度考えてみよう。
「ツメアスはいかが?」
ほんとは、コンクリートだけど、わかりやすく言っちゃうのも1つの手段だ。
宮本充也