2020/01/24
「繊維が表面から毛のようにはみ出たりしないの?」繊維散布コンクリート・メッシュ不要

今にわかに従来の土間コン施工の現場が変わろうとしている。ポリプロピレン繊維を土間コン打設中に散布することによってワイヤーメッシュの代替とするこの工法。「繊維が表面から毛のようにはみ出たりしないの?」。
多少はみ出ても大丈夫です
繊維散布コンクリート施工状況(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/madapp.html)。
1m2に100gを目安としている(1袋で35m2散布可能)。
タンピングは通常の土間コン施工の1プロセス。
繊維散布だから必要という工程ではない。
そのタンピングの工程で表面に散布されたポリプロピレン繊維は2cm程度沈み込む。
表層から2cm程度にポリプロピレンの網の目が構築される。
その網の目が表面に発生が懸念されるひび割れを抑制することがわかっている。
メーカー発表のひび割れ抑制効果グラフ(ワイヤーメッシュとの比較)。
タンピングしても多少ははみ出ちゃうんでしょ?
結論から言わせてもらおう。
「はい、多少ははみ出ます」
「ずこーーー」
とはならない。
というのも、「多少はみ出てもなんも問題がない」からだ。
土間コン(スタンプコンクリート)の表面からはみ出ている繊維の様子。
ひび割れ対策にとっては多少はみ出てるくらいの方がいい。
「はみ出ちゃってるよ!見た目が問題だよ!!」
まあ、待ってほしい。
結論を急がないでくれ。
ひび割れ対策に関して言えば多少はみ出てるくらいの方がいいのだ。
その説明をしよう。
「なんでひび割れは問題になるの?」
この問いを考えてもらいたい。
色々あるけど要は「見た目」ですよね。
表面にぱっくりと開くひび割れ。
見た目が良くない。
だからみんな土間コンのひび割れを避けるために色々努力してる。
「そのひび割れ、どこに出るの?」
答えは表面。
さきほど解説したポリプロピレン繊維の網の目はその強靭な構造で架橋効果と呼ばれるひび割れ抑制効果を発揮する。
その網の目。
表面に近ければ近いほどその効果を発揮する。
簡単な理屈だ。
タンピングによりあまり深く沈み込んで仕舞えばそれだけ表面におけるひび割れ抑制効果は低下する。
だから、多少はみ出るくらいに網の目は表層に近い場所に構築されているほうがいい。
それでも、毛が生えてるみたいで変だよ!!
わかったわかった。
あんまり急かさないでくれ。
確かに毛が生えてるみたいで見た目に問題がある。
「生毛みたいで可愛くない?」
「って、おい!!」
とはならない。
このはみ出ちゃったポリプロピレン繊維。
ライターやガスバーナーで簡単に消えて無くなってしまう。
処置すればもう表面には跡形もなく繊維は消えて無くなっちゃうのだ。
だから、全く問題ない。
よくある質問。
「繊維が表面から毛のようにはみ出たりしないの?」
はい、はみ出るけど、全く問題ないどころか、かえってそっちの方がいいのです。
宮本充也