愛知県尾張旭市。家周りの雑草対策のためにオワコンが採用された。当今の一般消費者は庭づくりを当然のことながら自分ごととして捉えネットでまめに最新情報を検索しているため施工業者よりも知識が豊富な場合がある。
製造：丸代（加納良男）、施工：若子商会（若子、20m2、50〜70mm厚、2名、1時間）

消費者とプロ施工者の間にあるギャップ

先行プロダクト透水コン（ポーラスコンクリート）普及の過程でも感じた。

施工・製造者にとっては「仕事」である家・庭づくりであるため、1年に数十組のカップルの相手をする結婚式場の職員のように、1つ1つの家・庭づくりは流れ作業のように淡々と扱われる。

そこにあまり感動はない。

新しいことも頻繁に起きることはない。

これが、「仕事」「働き方」の病魔なのだと思う。

一方の施主・消費者からしたら家・庭づくりは「結婚式」同様人生の一大イベントだ。

そこに淡々ととか、無感動、とか、粛々と、といった感情はなく、テンションアゲアゲで施工業者に色々と期待する。

とりわけ現代はインターネットで多くの情報を仕入れることができるようになっている。

そのため、昨年8月下旬から登場し始めた「オワコン」に関しても製造・施工というよりは一般消費者への認知が早かった。

「へ？オワコン？？」戸惑うのはいつだってプロの施工者の側だ。

おちおちしてると取り残されるので急いでオワコン勉強しておいた方がいいですよ。

それでは施工を見ていこう。

いかなる舗装材よりも簡単施工「オワコン」

オワコンは生コン同様生コン車に乗って現場にやってくる。

つまり、真砂土のように袋で買ってきてちまちま捌いて練って（あるいは撒いて）みたいな手間はない。

ザザザ〜である。

ざざざざ〜だ。

後はオワコンを所定の厚み（今回は50〜70mm厚）に敷き広げ二見タンパなどのような道具で締め固める。

以上、おしまい。

水を透さない土間コンのように、締め固めの後仕上げたりする必要はない。

その上を直ぐに歩行できる。

2名たったの1時間で永遠のオワコン

施工After。

奥側の白い方がオワコンで、手前は透水コン（既往のポーラスコンクリート）。

施工後数日経過すると乾燥して何も白っぽく変色する。

それはコンクリであり、ガチガチに硬いことからも、砂利と違って猫がトイレにやってくることはない。

猫は砂や砂利で隠せないとストレスを感じて排泄を避ける性質がある。

また、子供が砂利を投げて遊んで近隣とトラブルなんてこともない。

無論、コンクリだから防草シートのように数年で雑草に突き破られたりすることもない。

基本的には人生を共にする恒久的な耐久性を有しているから撤去にお金と時間がかかるってこともない。

当然のことだが、水を透す土間コンであるため、水たまりやぬかるみもないし、水がたまらなければ汚れも付着しにくいということができる。

2022年現在でこの知識を得ることなくこれまでの水を透さない土間コンを選ぼう・提案しようとしている人は不幸である。

なぜって、お値段も普通の土間コンよりも安いことが実証されているから。

なお、生コンポータルでは現在5000キャンペーンといって、土間コンクリートの相場よりも安い価格帯での受注キャンペーンを張っている。

論より証拠で示す。

これまでもプロダクトの普及に長年携わってきたがやはり大きな気づきは「仕事として向き合っている人よりも、個人的な関心ごととして向き合っている人の方が生産性が高い」ってことだ。

施主の方がよっぽど施工者や製造者よりも真剣だ。

だって、一大ライフイベントだから。

このことをプロである僕たちは忘れず日々の研鑽に勤しみたいと思う。

宮本充也