2022/04/21
「カインズ(Cainz)本物のKindnessに打たれた本社訪問レポート」

オワコン5月中店舗・オンラインリリースを目前に控え準備は佳境を迎えている。バイヤー森さんの声かけでDxやオンラインをご担当されている方々との顔合わせに訪ねたカインズ本社のひとときは衝撃としか言いようがなかった。
本物のKindness
本庄早稲田駅を降りて徒歩数分のところにホームセンター最大手CAINZ本社はある。
13:00からのミーティングに備え少し余裕を持って早めに訪ねた。
正面玄関の扉が開かない。
後から知ったが新型コロナウィルス対策のための措置だそうで知らなかった僕は玄関前をうろうろ徘徊していた。
そんな僕を見兼ねてか女性職員の方に声をかけてもらう。
「商談に伺ったのですが、入り口はどちらになりますか?」
次の返事に僕は感動することになる。
「ようこそお越しくださいました。ご不便をおかけし誠にすみません」
コロナ対策で正面玄関は閉ざされていること。
商用で来社した人は裏口から守衛さんを訪ねることになっていること。
その方は本当に本当にご親切にご説明くださり、最後にはさらに「お越しくださいまして誠にありがとうございます」と見知らぬ僕の背中を見送ってくださった。
理念を地でいくカインズという組織
■ Kindnessでつながる
■ 創るをつくる
■ 枠をこえる
(引用:https://www.cainz.co.jp/about/idea.html)
裏口からミーティングフロアに入る通路にカインズ企業理念が大書されている。
商談でこれまで数えきれないほどの企業を訪ね歩いた。
およその企業では企業理念は浸透していない。
「お題目」「綺麗事」「建前」として職員は捉えていて、事実上層部から「とにかく利益を上げろ、効率を上げろ」とハッパをかけられ、その過程で建前なんぞ忘れてしまう。
そんな企業を数多く見てきたが、もしかしたらカインズは違うのかもしれない。
「お客さま用控えスペース」なるものが設置されており、時間まで僕はそこで快適に過ごすことができた。
トイレもお客さま専用となっていた。
本社であることからも、おそらくは訪ねる方々の大半はいわゆる「仕入れ先」であるはずだが、そんな人々を「お客さま」として大変丁寧に歓迎している。
オワコン5月中リリースに向けた商談の中にも企業理念
控えスペースで仕事に集中していた僕を見つけたバイヤー森さんから声をかけてもらった。
森さんの他に、本社に所属する店舗Dx推進をご担当されている方、そして、EC構築を推進をご担当されている方、僕を含めて4名でのミーティングが始まった。
コロナ対策バッチリのミーティングスペースだ。
最低限の壁で仕切られているだけの風通しのいいミーティングスペース。
⚫︎参考:注文フォームはこちら
議題はいかに店頭を訪ねた方、あるいはオンラインで興味を持っていただいた方に、普段販売している方法ではない「一式販売」(生コン車と職人がうかがって工事一式で納品する)を浸透させるか。
忙しい店員さんに余計な労力をかけさせず、Dxをなるべく活用してシステムを構築する。
ホームセンターでオワコン(雑草・ぬかるみ・水たまり・猫の糞害・害虫対策製品)を販売する。
いろんな想定が共有された。
なかなかにして難しい。
「メールアドレスは必須にして、できない方には対応しないのはやむを得ないですかね」
店頭に表示されているQRコードをスマホにかざすと注文フォームに飛ぶことができる。
住所や、メールアドレスなど、必須事項を記入することが注文の入り口だ。
だから、メールアドレスは必須だと考えられた。
メアドを持ってない方には申し訳ないけど線を引く。
「でも、それ、カインドネスじゃないよね」
森さんが普通に「カインドネス」(企業理念の柱の1つ)という言葉を発した。
普段のさりげないコミュニケーションに企業理念が浸透している組織に出会ったのは初めてのことかもしれない。
「枠をこえる」HCでの生コン販売
そもそもHC(ホームセンター)で生コン(オワコン)を販売することが規格外。
それまでにない、常識の枠をこえた試み。
こともなげに森さんたちはその試みに取り組んでいらっしゃる。
普通なら「無理でしょ」とできない理由から入るし、僕はそんな組織をこれまでたくさん見てきた。
営業・売り込みに行っていた頃、「買わない理由」を散々聞かされ「変化しない」を選択する人々だ。
「でも、それ、カインドネスじゃないよね」
森さんのこの一言にカインズという組織が象徴されている。
代理注文という方法を持ってあまねく全ての人たちとカインドネスでつながる案が構築された。
できない理由を並べるのではなく、できる方法を考える。
僕自身「メール持ってない人はやむを得ない」と発言してしまったことを恥ずかしく思った。
この人たちとの共同なら、きっとできないことなんて何もないんじゃないか。
生コン(オワコン)はきっとホームセンターから一般家庭に当たり前に届けられるようになる。
そんなふうに思える1時間のミーティングだった。
「宮本さん、これから仙台ですよね?」
そういえば、前回のミーティングの時に「翌日仙台だから、本庄早稲田にお伺いするのはとても都合がいいです」なんて話をしていたことを思い出した。
楽しいミーティングの最後の方で森さん、「ちょうど14:24分の新幹線があるんですよ」なんと次の目的地に向かう電車の時刻まで教えてくださった。
なんなんだ、このカインドネス。
きっとカインズを訪ねた人は僕のように一発でファンになってしまうことだろう。
だって、ホテルや旅館だって、ここまでのカインドネスを持っているのは稀だ。
ましてやこちらはいわゆる「お金をもらう側」であり、先方からすれば「仕入れ先」だ。
旧来の上位下達の産業構造で言えば上下の下。
おべっかを使ってるようで嫌だから基本僕は商談相手を褒めたりすることはないのだがついつい感動をそのまま口にした。
玄関で女性職員にご親切にしてもらった件りからミーティングの一部始終の感動についてまで。
バイヤー森さんは照れながら「たまたまだったなんてことにならないように気をつけます」極めて謙虚だった。
商談というよりも、もはやエンターテイメントだった。
ディズニーやユニバよりも楽しかった。
そんなカインズとの協業が5月中に始まろうとしている。
Kindnessでつながることで、創るをつくり、これまではとても考えられなかった枠をこえる取り組みになることだろう。
心から感動したカインズ本社訪問となった。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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