2022/01/04
「業界の異なるコンクリートとアスファルトが大同団結する未来」RRCS座談会

昨年RRCSでは異例の座談会が開催されていた。道路業界もコンクリートに注目!? 「なぜ、道路会社がRRCS加入を決めたのか」| 第14回 RRCS対談座談会 。コンクリート or アスファルトの分断を超越し、舗装は統合へと向かう。
A or B から A and B へ
道路業界もコンクリートに注目!? 「なぜ、道路会社がRRCS加入を決めたのか」| 第14回 RRCS対談座談会
コンクリート:アスファルト比 5:95と言われている道路業界、カーボンニュートラルに向けてCO2吸収が出来るコンクリート舗装にシフトしていく未来はあるのか。道路会社がいまコンクリートに注目する理由を道路会社3社より主要メンバーをお迎えしての座談会。
00:00 オープニング
02:55 道路会社がRRCSに加盟した理由
08:50 CO2を原料としたコンクリートでCO2削減?
12:08 コンクリート舗装拡大への戦略
17:49 普及に向けて必要な技術・取り組み
27:08 透水性舗装を進めていくために
出演者
株式会社 佐藤渡辺 代表取締役専務 ・原 淳一
大成ロテック株式会社 フェロー 技術研究所長・島崎 勝
日本道路株式会社 執行役員・荒尾 慶文
東京都立大学 准教授 / RRCS 理事・ 上野 敦
業界の分断?「道路会社といえばアスファルト屋さんの常識を打破せよ!」
でかいことを言うようだが、人類はこれまで「どちらかが優れている」「あの人とわたしは異なる」と言うことだけで互いを大いに傷つけてきた。
A or B という発想。
それは、戦争や人種差別、ジェノサイドの底流にある考え方だ。
このごろダイバーシティ(多様性)という言葉がよく用いられるようになった。
マイノリティに対しても社会は寛容になりつつある。
これは人々の全体的意識が変化してきたことによるものだろう。
今を生きる僕たちには信じられないことだが、昔は女性に選挙権がなかった。
あるいは、大昔には女性や子供には人権すらなかった。
そればかりか、奴隷制度が当たり前に存在した。
善良な市民が奴隷を使っていたのだ。
人々の意識が世界の形を作るのであれば、現代の形(自然破壊、エネルギー問題、人口爆発その他)を然るべきものに変容させるためには、僕たち自身の意識を変えていかなければならない。
一般にあまり知られていないかもしれないが、道路、舗装には大きく分けてアスファルトとコンクリートが用いられている。
さらに知られていないことだろうけれど、そんな道路や舗装を作っている道路会社は実はアスファルト屋さんという側面を持つ。
奇異に思われるかもしれないが、道路会社はアスファルトプラントを系列に所有している一方、コンクリート工場(生コンプラント)はほとんど持たない。
多くは外注、現場を受注した最寄りの生コン工場あるいは生コン組合と交渉することで調達している。
結果、現在の舗装専有率はアスファルトとコンクリートでどうなっているかというと、95:5とアスファルトにコンクリートは大きく水を開けられている。
そして、このことは世界全体を眺めるとかなり特殊であるということがわかる。
(7:3とか韓国などでは5:5という国や地域もある)
さて、話題を座談会に戻すと、今回は一見するにアスファルト勢とコンクリート勢の合戦に思われる。
RRCSとは生コン・残コンソリューション技術研究会の名前が示すように「コンクリート」の団体。
野口貴文先生も、上野敦先生も、いずれも長年コンクリートに心血を注ぎ続けてきた研究者だ。
そんなRRCSがアスファルト屋さんたる道路会社の重鎮各位を迎える座談会。
「喧嘩になっちゃったらどうしよう」
まあ、大人なみなさんなのでそんなことはあり得ないのだが、アスファルトとコンクリートを論じると常について回るのが「二項対立」AかBかという常識。
その意味では、アスファルト屋さんがRRCSに加盟したということはかなり歴史的でエポックメイキングな出来事なのではないだろうか。
出演されている原専務の所属は佐藤渡辺。
知る人ぞ知る我が国ポーラスコンクリート舗装の草わけパイオニア企業だ。
なんとこの方は沼津が地元ということで、同じく静岡県東部がホームの僕のことをこれまでも色々と気にかけてくださった。
一見、透水性コンクリート(ドライテック、オワコン)を事業としてやっている僕のことを「敵」「競合」と考えてもおかしくないような関係性だが、そこもA or B二項対立が前提の発想だ。
長年道路会社でコンクリート舗装もアスファルト舗装もたくさん経験されてきた原専務にはA or B という発想はなかった。
色眼鏡で僕のことを見るのではなく、気軽にお声をかけてくださったし、僕から本社をお訪ねしたり、逆に工場にお越しくださったり、交流は一度や二度ではない。
「アスファルト屋さんなのにRRCSに加盟する」
つまりA and Bの発想を持つ道路会社が増えることによって、きっと社会インフラの要「道路」は新しい時代の要求に応えていくことができるのではないだろうか。
これからの時代、「俺かお前か」と言った分断の発想は不要だ。
常に、「俺のやり方もお前のやり方も」という尊重をベースとして意識が新しい時代を作っていくのだと思う。
子供の頃から序列や分断を前提とした教育システムで洗脳され続けてきたからなかなかその鎖を打破することは難しいけれど。
それでも、負の連鎖はどこかで断ち切らなければならないと思う。
「業界の異なるコンクリートとアスファルトが大同団結する未来」
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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