長岡生コンクリート
20210801から20210930までに投稿された「オワコン関連記事」

2021/09/10

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「《建築》や《土木》はもはや限界を迎えている一方《舗装》には伸び代しかないブルーオーシャン」オワコン #2

「《建築》や《土木》はもはや限界を迎えている一方《舗装》には伸び代しかないブルーオーシャン」オワコン #2

インターン学生を伴いながらも普段通りに仕事をしているが、長岡生コンクリートの現在を規定してきた人物らとの交流(スキルではなく人脈形成)を優先している。そして、気づいた。プロダクト「オワコン」は僕たちが数年、十数年と交流してきたかけがえのない人たちとの交流のアウトプット。最強のプロダクトだってことだ。



面白い。研究テーマにしたいです

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⚫︎参考記事: 「《建築》や《土木》はもはや限界を迎えている一方《舗装》には伸び代しかないブルーオーシャン」オワコン #1

我が国再生骨材コンクリート(リサイクル生コン)のエース、東京テクノの松田さんから「面白い。これは展開が見込めますね!」というお墨付きをいただいた。

そして、これからを嘱望される若きインターン学生からのコメント。

「面白い。研究テーマにしたいです」

昨日(2021/09/09)で伊豆長岡を離れるため、屋外で焚き火を囲みながらの送別会に向かう車中だった。

オワコンにとても興味を持ってもらえたようだった。

そして、彼と話していて、自分で気づいた。

オワコンって、僕が探求していた「再生骨材ポーラスコンクリート」を実践しているということ。

再生骨材を用いたポーラスコンクリートを志向した場合のボトルネックを見事に解消しているということに、はたと気づいたのだった。


「再生骨材でポラコンを作ろうとするとまず最初に行き当たる問題って何かわかりますか?」


インターン受け入れ先企業の社長らしく笑、彼に質問をした。

無論、すぐにわかってたまるかってことで、期待通り、わからないようだった笑。

再生骨材ポーラスコンクリートを実用化しようとした場合に最初に突き当たる壁。

それは、「ポラコンは粗骨材だけで作られるため、再生細骨材の用途を別途見つけなくてはならない」ということ。

その意味で、オワコンは、再生骨材(残コン由来)をふるわずそのまま100%用いている点ですでにイノベーション。

リサイクルプロダクトにありがちな問題が見事解消されている。

砂(細骨材)も入ってるのに、ポラコンなのだ。

再生骨材の細骨材が粗骨材の周りに付着した形でポーラス構造を形成している!

それをそのまま転圧すれば、再生透水コンクリート舗装「オワコン」の完成。

捨てるものありません!


さらに、これだけにとどまらない。

昨日(2021/09/09)16時からとある尊敬する大学の先生とリモートで打ち合わせしていたのだったが衝撃の事実が発覚した。

「スラッジケーキはCCUになる」

さらに、コンクリート舗装分野は「今日から、明日から」CCUを実装可能(例えばドライテックがわかりやすい例)な分野。

さらに、NIPPOがENEOSに振られたことからも分かるように、今後コンクリート舗装の分野は伸び代しかない(ブルーオーシャン)の領域。

しかも、はっきりいって、我が国ではコンクリート舗装は「ほぼない」といっていい状態であり、研究など蓄積がプアーすぎるため、逆にチャンスってこと。

前置きが長くなったが、「スラッジケーキはCCUになる」この衝撃の事実も、実は今週インターン2日目に「あとだしじゃんけんワークス」の盟友から教えてもらったことだ。

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白石建設で製造されているスラッジケーキを砂粒状に改質させた骨材。

これだ。



「なぜ、スラッジケーキは困るのか?」

先生から中性化には2つのパターンがあることを1時間半とうとうと講義していただいた。

僕が大学生の頃は1時間半先生の話を聞くなんてとても無理だったし、そもそも授業なんか出ていなかった笑。

でも、今(43歳)は大学の先生の話にむしゃぶりつくように夢中になっている笑。

隔世の感とはこのことか。

生コン工場の一般に、スラッジは廃棄物、というのが定説である。

基本的に、「捨てる」しかない

しかも、年々その処分費は高騰している。

なぜかって、減容化された残コンとしてのスラッジにはシルト(シリカの粉)とセメント粒子が高含水の状態で存在している。

水和反応は永遠に続き(W/Cにしたら500〜1000%みたいなもんか)、c-s-hは永遠に作り出される。

高すぎるW/Cであるため、強度は発現せず、粘土あるいはぬかるみのような状態であるため、再利用はできない。

さらに、六価クロム(重金属)が溶出することからも、管理型の処分場で埋め立て処分以外に処理の方法が確立されていない、厄介な産業廃棄物であることが知られている。

だから、多くの生コン工場はこの残コン由来の廃棄物「スラッジケーキ」に今も苦しんでいる。


一方、白石建設が確立したスラッジケーキの改質プロセスは非常に理にかなっている。

トロンメル(くるくる回転するふるいみたいなもの)にスラッジケーキを投入する。

「粒状間摩擦」と名付けられた作用により、スラッジケーキは次第に砂粒状に造粒化されていく。

この先はブログに書けない内容も多分に含んでいるのだけれど、一部を紹介すると、つまり、その工程でスラッジケーキの含水比は低下(粒状になることで表面積が増す)することで乾燥が進み、さらに減少したためW/Cが低下し適切に水和することで一定の強度も見込めるようになる。

そのプロセスでは当然のことながら、含まれているCa(OH)2と大気中のCO2は反応し中性化が起きる。

CaCO3炭酸カルシウムが生成される。

さらに先生によれば、Ca(OH)2だけじゃない、含まれているc-s-hも炭酸化するというではないかっ!!!

(これ以上はちょっと書けないけど、ピンとくる人はきっとくるだろう。僕は昨日先生から大変な知恵を授かった)

例えばこのプロセスをアスファルトプラントなど「高CO2雰囲気」の環境で行えば効率良くCO2を回収することができるだろう。

そして、作り出されたその粉はなんと、なんと!

セメント水和を補い強度発現に貢献し得る混和材料になりうるというではないか!!



残コン由来ポーラスコンクリート「オワコン」にCCU「スラッジ由来のパウダー」(名前はまだない)を混ぜる

骨材は残コン由来だからゼロカーボンだ。

そして、上述の粉はCO2を固定化・回収しているのだからCCUということができる。

さらに、ポーラスコンクリートだから大気(つまりCO2)とふれる面積が通常の比ではない。

ゼロカーボン骨材で製造され、さらにCO2が固定化されたマテリアルが配合され、さらに供用されてからもなおCO2を吸収し続ける、モンスタープロダクトのいっちょ上がりってわけだ。

振り返ってみると恐ろしい。

今週改めてお会いしている人たちの1人でも欠けたらこのプロダクトは生み出されなかったと思う。

オワコンは押しも押されぬモンスタープロダクトとして、95:5(アスファルト:コンクリート)をひっ繰り返してしまうことだろう。

なにせ、NIPPOはENEOSから三行半を突きつけられたのだから笑。

追い風がビュンビュン吹いている。

伸び代しかねえ。

向かうところ、敵なし、ブルーオーシャン。

これが、今、まさに、コンクリート産業が臨んでいる未来だ。

名前は書けないけど、その大先生、その傍にいたあの人(名前書いちゃうと先生の名前がバレるから書けない)、そして白石建設の武南さん、さらに、ポーラスコンクリートを16年二人三脚で走ってきたフッコーの杉山さん、隣にいたインターン学生。

これまでの道のりを共に歩んできてくださった全ての人たち。

彼らのおかげで、このモンスタープロダクトは生み出された。

規制・規格でがんじがらめの「建築」「土木」の分野にイノベーションは起きない、起きにくい。

だったら、しがらみのないブルーオーシャンの分野「舗装」で僕たちのご縁は悠々とその航路を開拓していくことになる。

「《建築》や《土木》はもはや限界を迎えている一方《舗装》には伸び代しかないブルーオーシャン」オワコン #2

ちょっと感動しています。

本日インターンは最終日。

打ち上げで飲みすぎないように気をつけよ。

昨日もやりすぎちゃったし笑。



宮本充也