2019/11/17
「誰でもできる土間コン色合わせ補修への挑戦」

みんなが困ってるコンクリート補修。圧倒的に土間コンに関わることが多いはず。もし、もっと身近に土間コンクリートの不具合(ひび割れ、色むら他)が解消されるとしたならば。誰でもできる土間コン色合わせ補修(打ち放しペイント)への挑戦。
土間コン色合わせのジレンマについて
「色むら」と呼ばれる土間コンクリートの不具合あるある。
このほかに、ひび割れ、勾配不良など土間コン工事には施工者と施主の両者を悩ませるあれこれが潜んでいる。
ここに、
施主は土間コンに意匠を求めている
施工者は土間コンを機能材として考えている
の両者のギャップがあることは度々主張してきたが、いずれにせよ「でちゃったもん」をどうにかしたいというニーズがありながらも、その分野がなかなか発展しないことに関係者一同困り果てているというのが現状だ。
「土間コンのトラブルシューティングならこれ!」
っていう明確な方法論が見出されていない。
その現場をふまえ、全国から岐阜の小倉左官店に色合わせ実務者(ラストマイル)が参集しこの点の議論を行なった。
できることならばある程度標準化、パッケージ化された統一の形(骨格)を作りたい。
その骨格さえあれば、それぞれのラストマイルが現場の状況や自分の感性に応じて肉付けできるはずだから。
そして、なによりも、色合わせに最も身近に求められるのは土間コン補修。
この分野に統一の技術が創造されるのであれば、それが届けられる喜びや生み出す笑顔の数は計り知れない。
色合わせだけだと雨の日施工したところとしてないところで違いが目立つ。
https://www.nr-mix.co.jp/rc/blog/_pt1.html
この分野の色合わせが確立されないのが、
塗布したところは雨の日濡れない(塗膜)が、素地(覆われていない土間コン)は水に濡れて灰色が濃くなることの違い。
となっている。
雨の日色合わせ(ボカシた)箇所がまるバレするのだ。
ああ、ここ、なにか修正したね。
って感じで。
これをあらかじめ説明するのだけれど、なかなか納得してもらえないのが現場。
「自然なコンクリートの風合いがいいのよ」
一生に一度の買い物をするお施主さんは常にわがままであって自然だ。
2つの選択肢を示し展開していく。
1つは、全面塗装。
ベース色を市販のローラーで前面塗り。
こてむらも再現できる。
ひび割れ補修痕、色むら、一切合切コンクリート色の塗膜で覆ってしまう。
一部ではなく、全部。
そうすれば、雨の日でも濡れる、濡れないの区分はない。
厳密に言えばもちろん不自然(濡れない)だけど、これが最もとっつきやすい方法論であることは間違いない。
好みに応じてコンクリートの色の明るさ色調を調整することだってできる。
そこそこ満足。
そして、もう1つは市販の補修材と顔料による部分補修。
施工Before。
一部不具合が発生してしまった土間コンクリート。
昨日ご参加くださったタケヒロ工業の内田さんから共有のあった手法。
補修方法は塗装ではなく、各種舗装材を組み合わせた薄付補修。
施工After。
各種補修材(セメント系)と顔料を組み合わせて現場で近い色を模索する。
好みに応じて品番は選ぶ。
プライマー塗布後の薄付で色を周囲に合わせる。
この方法の場合使用材料は全て無機系であるため、雨の日でも補修箇所は周囲と違わず濡れ色となる。
自然な風合いが約束される。
ただ、こちらの場合は多少の現場経験を積む必要がある。
生コンでいいことセミナーではあくまで「打ち放しペイント」の入り口を示す。
所詮きっかけ。
一番大切なのは現場ラストマイル。
実際に問題に向き合っている人たちが最後は実行に移す。
僕たちが届けられる情報はそんな現場で役に立ってこそ。
ラストマイルが集まって議論した結果として、大きく2つに土間コン補修の骨格はまとめられた。
あとの肉付けは現場で。
セミナーで示されるのは基礎中の基礎。
入門編。
さあ、全国セミナーでラストマイル達との交流を通してこれら骨格もさらに進化していくことだろう。
僕たちは知っている。
土間コン補修(色合わせ)こそなによりも多くの喜びを届けられる笑顔を生み出すことができることを。
打ち放しペイント改良の道は続く。
宮本充也