2016/10/14
「後ろ向き営業の勧め」新規事業としての生コン

営業マンという仕事は常に前を向いている。
まだ見ぬ向こう側にきっと見込み客がいる。
そう信じ切って東奔西走。
これは、間違ってはいない。
僕だってはしくれとして、常にチャンスや光に向かって駆けている。
ただ、建設産業を冷静に眺めると、
・人口半減
・経済縮小
・維持管理
・サステナブル社会
どれ一つとっても、市場やフィールドが広がっている兆候がない。
建設会社はそんな状況で本業が緩やかに削れていく中、
選択肢は限られている。
「それでも頑張って営業する」
きっと買ってくれる人はまだまだいるはずだ。
そう信じてガンガン営業をする。
ただ、建設市場がもはやレッドオーシャン状態になっているため、
https://www.accia.net/glossary/mark/redocean.html ※レッドオーシャン
結果的に他所の得意先に破格の値段でぶち込むようになり、
やられたらやり返すで、今度は自社のお客様に破格の値段をぶちこまれ、
易く受注すればそりゃすなわち品質が落ち、
あまりいい方向へは進まないというリスクがある。
それではどうするか?
通常であれば、新規事業という新しい市場を期待するのかもしれないが、
「そんな簡単に見つかるんならみんなやってるわ」
という、過酷な現実が待ち構えている。
そうやすやすとうまくいくことなんてない。
いずれにせよ、前を向かなければならない。
後ろを向いていいことなんかない。
普通ならそう思う。
後ろ向きな意見など聞く意味ない。
常に思っているし周りにも言っている。
ただ、後ろを向いていいことが実はあった。
建設会社
我が国の高度経済成長を支えてきた業種。
ほとんどの企業は業歴が非常に長い。
50年なんて企業もざらにある。
後ろを向いてみる→歴史を振り返ってみる
という視点を考えた場合、
実はこれまでに、
数百・数千という地域のインフラ(建築・土木)
を世に送り出してきたこと気づく。
僕も驚いたんだけど、これら数百・数千の歴史はすなわち、
「顧客リスト」
であり、すでに関係性が構築できているクライアントとすることができる。
そこを、市場ととらえる。
新しい顧客を探してうろうろ走り回るより、
後ろを振り返ってみてそこに既に出来上がっている関係性の集積を、
新たな市場として再定義することが、
とても大きな価値を生むということがある。
「打ちっ放し仕上げ」
https://www.nr-mix.co.jp/rc/blog/post_98.html ※参考ブログ
ある地元のお客様が以前当社の色合わせ補修を「商材」ととらえて、
以前のお客様にリノベーションを提案した。
「20年経ったからそろそろお化粧直しいかがでしょうか?」
である。
見事成約されて、これまでになかった売上が上がることになった。
https://www.nr-mix.co.jp/rc/ ※事業説明
【後ろ向き営業のメリット】
・すでに関係性が出来上がっている相手であるためコミュニケーションコストが低い
・「買った後は弱者」という認識を持つ相手に対してのケアという効果もある
・大規模な建築をやる相手であれば資産家である確率が多く新規投資の見込みと言える
ざっと、こんな感じ。
【前向き営業】は一方、
・初めて会う相手のため人間関係を作るところからはじまる
・成約してもらうまでにあの手この手と手間がとにかくかかる
・営業先は玉石混交であり計数化しづらい
となる。
今、建設産業に求められて居る営業スタイルはもしかしたら、
前向き営業→フロンティア精神ではなく、
後ろ向き営業→温故知新なのかもしれない。
新規事業に求められる、
・なにを
・どうやって
・だれに
の「だれに」はすでに膨大な顧客リストをもっているのだから、
あまりそこに経営資源を割くのではなくて、
「なにを」
を、ちょっとだけ変えて、
いつもどおりの「どうやって」で提供するだけで、
いとも簡単にあれだけほしかった売り上げがあがる。
非常に面白いものだと得心した。
そして、「なにを」だけど、GNN元気な生コンネットワークには、
そんな「なにを」がいっぱいあります。
新規事業としての生コン
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_68.html
後ろ向き営業を力強く支える「なにを」がたくさん埋まっているプール。
そんな場所だとGNNを最近定義するようになっている。
宮本充也