2021/01/29
【かぶりを確保・重力式擁壁-7】
<段取り筋>が入っていても、それは<無筋コンクリート>
主筋や、配力筋などが配置されていない<重力式擁壁>について。
では、<段取り筋>は主要構造物ではないから、
<かぶり厚さ>などを考慮しないでいいのか?
そんな質問を、以前、聞かれたことがあります。
答えは「否」
<段取り筋>とはいえ、
ほかの主筋・配力筋などと同じく鉄は鉄。
等しく、環境要因によって錆びるリスクは同等です。
極端な話、<結束線の端部>だって、かぶり厚さの対象内。
仕様書の中でも、
<内側に折り曲げる>ように指定されています。
それだけ、鉄の腐食によるコンクリートの劣化を、
極力抑えたい、ということですよね。
ちなみに、<かぶり厚さ>とは、
コンクリート表面から、鉄筋までの最短距離のこと。
この距離が、確保されていればいるほど、
その構造物の耐用年数は延びると言われています。
アルカリ性のコンクリートが、鉄の酸化を防止する。
鉄筋コンクリートを長持ちさせる、大事な要素のひとつですね。(つづく)
NR試験室 二見