2016/05/18
「0.5m3に魂を燃やせ」どがつく地産地消企業に求められること
生コン工場に入職した直後に先輩社員である田中さん(前々営業部長)からよく言われたこと。
「うちは個人の客がえりゃあ(伊豆地方の方言で、「多い」という意味)」
50年の歴史の中で、我がNR長岡生コンは、
・常に個人客(リテール・小口)を大切にしてきた
それこそ、田舎特有「夕飯のおかずまで知っている関係」を時にお客様と結ぶ。
こうした関係性を嫌がる風潮があるものの、
田中さんからの刷り込みに近いが、
僕はこの精神「NRスタイル」を重視している。
田中さんはとても顧客から信頼されるキャラだった。
「必ず現場に顔を出す」
ことで、生コン納入が円滑に収まる。
僕たちはいつのころか、この「必ず現場に顔を出す」をG現場調査と呼び習わし、
KPI→Key Performance Indicator(数値管理)化している。
生コン屋のことを多少でもご存知の方は、
「ありそうであまりない」
ことをわかっていただけると思う。
すべての現場に顔を出す。
銀行で例えると、給料20万を振り込んだお客様いちいちにご挨拶周りをするようもの。
はっきり言ってしまえば0.5m3を配達して終わってしまう現場単体で見れば、
「大赤字」
だから、普通はやらない、けど、NRはやる。
ちょっとした計算も裏で働いている。
・0.5m3のお客様を感動させる方が10000m3のお客様を感動させるより楽
結局最終的には感動を起こしたもん勝ちだと思っている。
10000m3を買う側はどうしても
「うちはこんだけ沢山買ってるんだぞ」
という心理があり、挨拶きて当然、くらいに思っていらっしゃる。
一方、小ロットのお客様は、恐縮していただいていることもある。
そこに、わざわざ、顔を出す。
口で言うほど簡単ではないG現場調査だが、
その0.5m3が100〜500に化けることもある。
人はすぐに成功した表面ばかりを模倣しようとするものだが、
最も大切なのはその花を咲かせた根っこ。
枝葉を真似しても、一過性のもの、
やはり地味でも苦労があっても、G現場調査を大切にしていきたい。
実際に伺って実際に使う人と同じ空間同じ時間を過ごすこと。
そのものが、目的であり、また無限の可能性がそこに眠っていることを実感してきたから。
建物がおんぼろで、設備も一世代前のものだったとしても、
現場に届ける笑顔ほど貴重な経営資源は他にない。
IT戦略に力を入れているとしても、
この「実際に顔を出す」という習慣は絶対に捨ててはならないものだと思っています。
まだ見ぬこれから僕たちに関心を寄せていただく皆様の元に顔を出すことを、
今から心待ちにしています。
宮本充也