2018/06/02
「たった1件の気まぐれな問い合わせ|生コン×IT」

5月末時点での成績:月間80,000PV(目標100,000PV)。WEBサイトに注力し始めてから27ヶ月経過。生コン屋さんのIT戦略進捗報告と所感をまとめる
https://www.nr-mix.co.jp/topics/fax.html
生コンをネットで注文する時代
流石の僕自身も想像していなかった。
言葉として、「生コンをネットで注文する」ということを想起したことはあったが、
実際にそれが実現していく過程は想像しなかった。
きっかけは長野の一般の方からのお問い合わせ。
今から遡ること30ヶ月以上前のこと。
当時全く力を入れていなかった当社ホームページ。
(当時は「生コンポータル」ではなくて、通常の企業サイトだった)
「透水性コンクリートを採用したいからうちの出入りの業者と交渉してください」
そんな問い合わせだったことを記憶している。
「ネットをきっかけとして」
数百万円の透水性コンクリート(生コン)の取引が成立した。
歴史的な瞬間だった。
それをシーズと見定めてスタートしたのが当社のIT戦略。
生コン屋さんで商取引としての「生コン」を目的としたWEBサイトは当時も今に至るまでない。
誰も経験したことのない取り組みとなった。
※まったくWEBに力を入れていなかった当時の月間PVは3,623(2,113%増加)
前人未到「生コン」と言うテーマでのIT戦略
3年前に比べて現在の当社で起きていること。
毎日2〜3件の「WEBを見て」と言う連絡。
少なくとも当社スタッフはここ27ヶ月で目に見えて変化した現実を経験した。
生コン工場への連絡はせいぜい取引先か営業の電話くらいしかない。
それが北は北海道から南は沖縄まで(時に海外から)
一度もお会いしたことのない人たちからの連絡が常態化した。
今確実に変化が起きようとしている。
例えば生コンポータルの取り扱い製品である透水性コンクリート「ドライテック」
4月の問い合わせ件数は31件を記録した。
(WEB経由のみ。その他製品を含めると49件/月)
たった1件の気まぐれな問い合わせ。
WEBを通じて長野で実現したことが現在の当たり前に変化した。
そして、売り上げも年々倍々の進捗を記録している。
特にここ数ヶ月の売り上げの増加は目覚しい。
ネットで生コンが今当たり前の景色に変化しはじめている。
生コンはネットには向かない
僕自身も心の片隅でそう思わないでもなかった。
多くの人の意見は事実そうだった。
ネットに力を入れるなんて意味ない。
常識というのは常に変化するものなのだとこのところつくづく身につまされることが多い。
30年前誰がAmazonの台頭を想像しただろうか?
電車の中の大半の人が雑誌や新聞や文庫本ではなくてスマホを眺めている時代を誰が想像しただろう。
現代人のほとんどはインターネットなしでは生活しない時代になった。
たしかに生コンのようなばりばりの企業間取引(B to B)製品。
ネットに馴染まないのは僕だって理解している。
ただし、時代が変化し、ワンクリックで知らない会社から製品を購入する時代。
人々の意識も実際変化しネットで知らないサイト「生コンポータル」に連絡することそのものが、
以前に比べてストレスやハードルを小さくしたことも事実。
常識は常に変化し続けているのだ。
3年前にはあり得なかったことが現代当たり前のように起きている。
そう考えると常識というものは知らない誰かがどこかで作るものじゃなく、
自ら率先して行動に移すことで変化していくものだということがわかる。
生コンはネットで買えるのだ。
本日、残り9ヶ月をどう過ごすかを議論する社内会議がある。
27ヶ月間に起きたできごとを振り返り、
今いる地点から登ってきた景色を振り返る。
そして、さらなる高みを実際に登るための方法について議論する。
3年前「生コン×IT」に関してなにも持っていなかった頃と違って、
現在は27ヶ月分の蓄積(ノウハウ)がある。
その蓄積を元に残り9ヶ月最大の成果をあげるようにしていきたい。
極めて流動性の低い生コンという産業において。
頑張った人がそれだけ評価されるという公平な市場を構築するために。
縦型閉鎖的な流通構造に変革をもたらすために。
そしてそのことが多くの人たちに幸福を届けることを実証するために。
生コンでいいこと。
生コン屋さんのIT戦略の奇跡はまだまだこんなもんじゃない。
宮本充也