長岡生コンクリート
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2017/03/14

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「2017.2期決算 OVER THE RMC」 生コン・業界・Innovation

「2017.2期決算 OVER THE RMC」 生コン・業界・Innovation

生コン業も御多分に漏れず、

1年12か月を通して会計が組まれる。

その12か月の事業活動は収益を生んだのか、

評価されることになる。

要は、儲かったかどうかは12か月で評価されるもの。

経営層はこの数字に毎月毎月終われ、

月次決算を12回繰り返して1年を過ごしている。


当社長岡生コンも御多分に漏れずワンイヤールールが適用される。

事業年度はどういうわけか3月1日が開始日となっており、

つまり、先日2月28日に2017年2月期の1年が終了した。

当社は上場企業でもないし100%家族経営なので、

決算の結果を公表する必要はないが、

数年前よりステークホルダーの求めに応じて、

決算内容をお知らせするようにしている。

どうせ隠しても虚弱体質は虚弱体質だし、

強くしなやかな経営を志すなら隠し立てせず堂々と、

だめなもんはだめ、いいところはいい。

と外部に発信したほうがいいという信条によるものである。


終了した2017年2月期の最大の特徴は、

単月で初めて新規事業群が本業(生コン)を売上・利益ともに凌駕した

ということだった。

これは、とても感慨深いできごとである。

12年前右も左もわからないまま始めた新規事業。

生コンだけではきっと事業が細ってしまい、

最終的にまっているのは破滅。

生コン業の衰退。

そんな感覚から、透水性コンクリートをはじめ、

生コンとシナジーが考えられる事業群に片端から手を染めていった。

もちろん、最初は売上0で、無理やり押し込む押し売り営業で、

数十万、時に100万を超える売り上げがスポットで生まれはしたものの、

背伸びでふくらはぎぱんぱんな営業活動だったため、

それらは売り上げを凌駕する赤字だったことを懐かしく思い出す。


12年が経過した現在、

毎月当たり前のように1,000万円単位で売り上げ、

昨年度ついに単月で3,000万をマークし、

低迷していたこともあるが生コン本業の売り上げを凌駕した。

この意義は大きいと思っている。


生コンは因果な業態だと僕は思っている。

1.5時間以内に運べるところから外へは出られない→1.5時間の壁(JIS規格)

橋やビルといった社会インフラが計画されて初めて後追いで必要とされる、

つまり自ら市場を想像したりニーズを提案したりすることがない。

生コン組合が秩序であり産業ヒエラルキーが整備されていて自由度が低い。

右肩上がりの市場環境であれば機能するそれら特性も、

現状のようなつるべ落としの環境下ではまるで搾取構造のように働き、

ボトムラインに存在する僕たち生コン業は非常に厳しい経営を迫られる。

事実、生コンの売り上げ推移はリーマン以降惨憺たるものである。


じゃあ、生コンやめちゃえばいいのか?

生コンとはいえ、企業だ。

儲からないなら、やめちゃえ!なのか?

ネガティブなことばかり書いてきたけれど、

生コンは、水の次に流通する、電機や水道と同じくらい、

人々の生活にとって欠かせない資源。

誰かがやらなきゃならない。

それは、3.11や熊本の復興を例にとるまでもない。

人類の営みのベースを支えているのは僕たちなのだ。


日本において特徴的なのは、

そんな重要インフラ資材の担い手の大半は僕たちのような中小企業。

全国各地でそんな中小企業た重要インフラを供給している。

まるで、電気や水道を家内工業で作ってその地域に供給しているような、

とても不思議な産業構造が構築されている。

中小企業も営利団体であって、

収益は事業存続のために必要。

ただ、これだけ市場環境がつるべ落としで縮減してしまうと、

特に中小企業である僕たちのような事業は存亡の危機に瀕する。

世界にも類を見ない生コン、それが日本の生コン業界。


水の次に流通する材料の担い手が中小企業。

そして今は世界最速で人口が減少し、

すなわち市場が急減している日本。

制約だらけの生コン業界において、

12年前に始めた生コン周辺事業開発。

つまり、新しい生コン業態の開発。

昨年度は単月で本業生コンを凌駕した記念すべき1年だったとできる。

市場環境に依存せずとも事業継続のできる生コン業。

かねてより希求していた生コン業の輪郭がようやくおぼろげながら姿を現した。


組合に依存することもなく(割り決がもらえなくても)、

地域経済に依存することもなく(橋やビルが仮に建たなくても)

僕たちは主体的に市場を生み出して、

財を生み出すことができる。

国が、政策が、行政が、と外部環境に依存することなく、

自らの志向する事業運営を作り出すことができる。

そんな生コン業が少しずつだが見えてきた。


次の目標は、単月ではなく、12か月通年で、

Over The RMC(Ready-Mixed Concrete)

生コン本業を売上・利益ともに凌駕する。

そんな生コン業の在り方を早期に実現したい。


今、生コン業は何もしなければ市場は消えて事業存続もじり貧。

ピーク5,000以上あった工場は、

現在3,400といわれ、

さらに、1,000工場は前進か、撤退かを、

ここ数年で迫られるといわれる。

何度も言うが、

人類の営みに必要不可欠な水の次に流通する材料、生コン。

そして、その担い手は国でも大資本でもなく、

中小企業。

このままじり貧で疲弊した生コン産業の状態で、

仮に3.11を凌駕する途轍もない災害が我が国を襲ったら。

そのように考えると、今のままの生コン業ではいけないと思う。

もっと強くてしなやかな経営体質・基盤を構築しておかねばならないと思う。

その意味で、

これまでの他力本願型生コン業から、

自主独立型の生コン業への転換は急務。


Over The RMC

この時代に生コン従事者として生きるものの使命として。

早期に達成していきたいと思う。

そして、それが、生コン業におけるInnovationと信じている。


宮本充也


※生コン本業の低迷を補うように新規事業群が成長をし、今期もからくも黒字経営で終了することができました。まことにありがとうございました。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士