2020/07/08
「ヒト、モノ、カネ、情報、割り切れないのは、ヒトと情報」郷土に溶け込む理想の生コン事業所とは?(その4)
生コン製造の新しい形を模索するために、長岡生コンクリートと16年パートナーシップを継続している盟友さくら生コンと議論が加熱している。地域に根ざし、より風通しよく、もっと求められ、期待に応えられる生コン製造のあり方とは。地域の生コン製造プラットフォームとしての新製造体制への道。
10月1日を目標に生コン事業所《長岡さくら》は新しい形へ
会議の模様はインターネットを通じて参加する意思のある全ての人に開かれる風通しの良いスタイル
誰の意見も無視されない、尊重される。
自分のエゴを押し付けるのではない。
さくらか、長岡か、という二項対立ではなく、長岡も、さくらも、そして、という無限の広がりを期待した新しい生コン製造プラットフォームを目指す。
会議が開催された場所は野村商店伊豆中央営業所の会議室。
仕事や家庭の事情で参加できない人はZOOMで視聴できる。
密室の会議ではなく、誰がどんな思いで仕事や組織に取り組んでいるかを隠さず共有する。
新しい生コン製造プラットフォームの出資者である長岡生コンクリートと野村商店それぞれの代表取締役は意志を押し付けるのではなく、ただ助言を行う。
自主経営。
実際に運営をする人たちが主体性を持って自分の信念を形にする。
そんな事業体を目指す。
ヒト、モノ、カネ、情報、割り切れないのは、ヒトと情報
議論をしていて2つのことに気づいた。
モノやカネの議論は円滑にサクサクと進む。
まず持って、さくら生コン、長岡生コンクリート、それぞれの事業体にとって「より合理的」を形にするためのプロジェクト。
その合理的を定量化するために、今よりもモノやカネの有効利用を模索する議論は簡単だ。
現在の会計から算出された数字よりもより利益を生み出すありかたを模索するだけ。
その議論は割り切れる。
モノもカネも算術可能で割り切れる。
一方、ヒトと情報(感情、人間関係、と言い換えても良いかもしれない)に議論が進むと途端にその足取りは鈍くなる。
「より合理的」という竹を割ったような結論が得られずらい。
ヒトそれぞれの思いがある。
信条がある。
環境だって十人十色。
新しい組織が志向する文化がまだ固まっていない以上、割り切ってヒトや感情(情報)をカネやモノのように扱って割り切る、決める、ということは至難であることをつくづく感じた。
これが、新しい取り組みを始めるための試練なのだと思った。
僕自身の信条として、自分も誰かに強制されたくないから、僕も誰かに強制することは絶対にしない、というのがある。
「僕の思う通りに動いて欲しい」そんなエゴのない組織。
だから、一見どう考えても合理的に見えるようなあり方に人を誘導したくなったとしても、僕はその人の意思としてそれを選ばない限りは押し付けないようにしているし、押し付けるべきではないと思っている。
押し付けたり、命令したりしても、結果的にその本人がきちんと納得した上で自分で決めた行動でない限りは成果も得られないし、その人の成長にもつながらない。
僕も自分が納得して自分が決めたことだけを貫きたいと思っている。
だから、組織の仲間たちにも「会社が決めたから」という動機づけで安直に行動して欲しくない。
人生のことなのだ。
自分で決めて自分で行動に移して欲しいと切に願っている。
いよいよ新体制創造の最終局面。
モノやカネはさくら、長岡、双方にとってより良い試みとなるはずだ。
さあ、ヒトと情報についてはどうなるだろう?
どうなる、ではなく、どうする。
そして、正解は自分たちが決めるのではない。
正解・誤りの結果は自分たちではなく偉大なる審判「市場と顧客」が下すことになるはずだ。
だから、何か特定の考え方に凝り固まらずに、自由に自分たちを解放して行こう。
もちろん変化は誰にだって怖い。
ただ、同時にすごくワクワクする楽しいことでもある。
忘れてはならないのは、僕たちは一人一人がかけがえのない尊重されるべき人間であるということ。
僕たちは誰かといがみ合い争い合うために存在しているのではない。
地域社会に求められ必要とされている存在。
競合とかシェアとか勝った負けたの発想ではなく、
「もっと地域社会に貢献できる姿はどんなだろうか?」
と考えて自分たちの姿をその形に変化させて行こう。
それはきっとプロジェクトに参画する全ての人たちにとって進化と成長の機会となるはずだから。
僕は皆さんのことを信頼しています。
さあ、自由に羽ばたこう。
宮本充也