2017/03/30
「高名の木登り」 生コン・0.5㎥・小口
入職したての頃、大先輩職員田中さんに耳タコでいわれたこと。
「個人客を大切にせよ」
この言葉は長岡生コンの根幹となっている。
個人客とは、法人化していない小規模事業者のこと。
使用する生コンの数量も小規模。
0.5㎥
という最小ロットの発注も多い。
こうした小規模への対応は決して楽ではない。
合理的か否かで考えれば非合理的。
多くの生コン工場はこうした非合理的な生コンに対してネガティブとなり、
口ものと呼ばれる1回の打設が数百㎥ともなる大規模を志向する。
なのに、長岡生コンは、小規模・個人を志向してきた。
「高名の木登り」という古文がある。
高名の木登りといひし男、人をおきてて、高き木に登せて梢を切らせしに、いと危ふく見えしほどは言ふこともなくて、下るるときに軒長ばかりになりて、 「過ちすな。心して下りよ。」 とことばをかけ侍りしを、 「かばかりになりては、飛び下るるとも下りなん。いかにかく言ふぞ。」 と申し侍りしかば、 「そのことに候ふ。目くるめき、枝危ふきほどは、己が恐れ侍れば申さず。過ちは、やすきところになりて、必ずつかまつることに候ふ。」 と言ふ。 あやしき下臈なれども、聖人の戒めにかなへり。鞠も、難きところを蹴出だしてのち、やすく思へば、必ず落つと侍るやらん。
勉強は嫌いだったけどやけに記憶に残っている。
生コンに置き換えればつまり、
生コン屋はみんな1000㎥10000㎥というものをとても大切にするし、現場にはよく顔をだしサービスを怠らないだろう。一方、0.5㎥のような最小ロットの場合どうだろうか?高名の木登りがいうように、高いところであれば誰しも注意を怠らず結果転落のような事故も起きないが、低くなるとその点注意を怠りかえってあらが出てしまうがごとく、0.5㎥のような最小ロットにこそ生コン工場の素顔が表れる。0.5㎥をとことん大切にすることによって、生コンプロとしての実力を磨こう。
このように考えた。
だから、昔も今も当社長岡生コンは、
・0.5㎥に魂を燃やせ
・現場調査至上主義
を徹底している。
0.5㎥であったとしても、できるだけ事前に現場に足を運ぶ。
今、当社では現場調査の担当を、
山口さんという女性が活躍している。
田中さんの時代から、
0.5㎥の現場でも必ず顔をだし、
そこでシゴトシさんたちとのコミュニケーションを行ってきた。
そして、今はITツールを活用して写真のように、
訪問現場のMapや注意事項を社内で共有するようにしている。
僕たちは生コンを売っていると同時に、
お客さんが要求しているコトを届けているんだと思う。
お客さんが何を要求しているかは、
会議室の中にはない。
結局とどのつまり現場・現実・現物の中に答えはある。
とくに、0.5㎥のような生コン工場一般に非合理とされる、
そんな現場にその答えは多く眠っている。
誰もが嫌がる仕事、0.5㎥を大切にする。
時代が変わっても、これだけは変わらないだろう。
当社山口さんが現場にお邪魔した際には、
ぜひ気軽にお声がけいただけますよう。
どんなことでも結構です。
コミュニケーションそのものに僕たちは価値を感じています。