2019/10/21
【あなたの<やわめ>は、わたしの<かため> 1 DAY PAVE(ワンデイペイブ)】
セメント協会が開発した、1 DAY PAVE(ワンデイペイブ)
「コンクリート打設後1日で養生を終えることが可能な、早期交通開放型コンクリート舗装」のこと。
PAVE(ペイブ)とは、英語で「舗装」のこと。
台風19号の災害復旧工事において、今回採用された。
その特徴は、
・粉体(セメント量)が多め →粘性が高い
・早強セメントを使用 →粉末度が高い
・低水セメント比 →水が少ない、などなど。
色々挙げられるが、どれも硬練りになりそうな印象。
そのためにも、高性能AE減水剤を使って性状を保持させる。
今回、発注されたのは地元ゼネコン・土木の監督から。
「型枠で狭いところに打設するから、<やわめ>で出して!」
発注を受けた人が、その旨を配車表に記録し共有。
後ほど、別の人がそれを見て確認していると...
「<やわめ>って言っても、実際どの位なんだろう?」
そもそも「1 DAY PAVE:舗装コン」なので、スランプの指定もない。
年に2~3回ほどしか出ない配合で、JIS でもない。
舗装コンなので、型枠には打ったこともはない。
<やわめ>と注文されるものは、だいたいが建築で「スランプ 18~21」くらいの案件。
さらに、スランプ24を超えるものは、「スランプフロー」で表されることが一般的。
懸念事項が多いので、折り返し電話して監督に確認。
果たして<やわめ>ってのは、スランプいくつ位のことを指しているのか?
試験室「<やわめ>って聞いたんですけど」
監督「おぅおぅ。<やわめ>でね」
試験室「監督、<やわめ>って言いますけど、スランプでいうといくつ位をイメージしていますか?」
監督「そうだなぁ...。<やわめ>だからなぁ...。スランプ15くらいだな!」
さすが、「土木監督」の<やわめ>。
「建築監督」の<やわめ>とは、まったく違う!
あなたの<やわめ>は、わたしの<かため>
土木の<やわめ>は、建築の<かため>
麺の<やわめ>は、茹でかた<ながめ>
同じものを見ていても、見えているものはまったく別モノ。
その人の属性・経験・フィルター次第で、いくらでも変わるもの。
生コン見る目も、人の見方も、感触も、人間の相互理解は難しい!
NR試験室 二見