2019/04/15
世界の中の日本の生コン|月刊生コン 2019/04/15
先週1週間ドイツではBAUMAが開催されるなど、「世界の中の日本の生コン」を意識することが年々多くなっていることを感じる。超地場産業だからこそ、世界の潮流を読むことが重要。そんなことを思わせるいくつかの出来事。
「ミキサー洗浄、はつり。生コンのあたりまえを無くそうよ」新プロジェクト参加工場募集
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/post_384.html
生コンミキサー(あるいは周辺)を洗わない。
誰がそんな未来を予測しただろう。
9年目の共同を数える世界企業MAPEIの特許技術はそれを可能にしようとしている。
生コン生産が終わった夕方その装置が作り出す特殊混和剤の霧がミキサー内を満たす。
生コンの飛沫は硬化することなく翌朝を迎える。
生コンの生産が始まる。
それが繰り返される。
洗うことなく、来る日も来る日も生コン工場は操業される。
そんな現実も世界に目を向けることで得られる着想であり機会。
【MAPEI】【HOLCIM】残コンは水を使わずただちに乾いた砂と砂利に還元される【ミラノ】
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/mapeiholcim.html
世界規模で展開する残コン(生コンスラッジ)に関わるソリューション開発。
誰もが「水で洗う」を前提に置いていた中、「水ではないもので洗う」というアイディアが生命力を得て力強く成長しようとしている。
DRY WASH(乾式洗浄)
水を使わないから、(限りある資源)水を汚さない。
水を使わないから、生コンスラッジが発生しない。地面を汚さない。
世界に目を転じるとあらゆる「前提」がいかに脆いかが浮き彫りとなる。
「そもそも、なんでだっけ?」
という問いは常に投げかけてみるべきだ。
【急結材】二酸化アルミニウムナトリウムの使用禁止で高まる日本のトンネル市場の流動性【MAPEI】
https://www.nr-mix.co.jp/new_nama/blog/mapei_2.html
これまでどうしても閉鎖的な市場を形成してきた日本。
山岳トンネルを建設する上で必須の材料、急結材。
平成の30年間で「いつの間にか置いてけぼり」は建設にも言えるのかもしれない。
JAPAN as No.1
あれだけ隆盛を極めた日本企業は現在時価総額ランキングトップ10から完全に姿を消した。
それでもまだどこかで「日本が1番」と思っていないか。
どこか当事者意識の希薄さを感じざるを得ない。
最後は誰かがなんとかしてくれる。
例えば急結材という分野の機会を通して世界最先端の技術を理解する。
IT、グローバル、企業間連係。
現代は考え方次第で自由にアイディアを出し自由に行動することができる時代。
その時代にいろんな理由をあげて工場に閉じこもっていては一生を台無しにする。
当事者としてなんでもいいから行動してみたい。
僕自身の生コン18年を振り返ると「激変」という言葉がぴったりだと思う。
まさか、生コンで働いてて英語を話すことになろうとは想像もしていなかった。
企業間連携で新たな技術を生み出す。
ITで情報発信をし実際に新しい流通脈を構築する。
どれもこれも18年前には考えられなかったことだ。
いよいよ平成が終焉し、令和の時代が到来する。
たった10年20年が大きく変えた生コン。
当事者意識を持った多くの人たちの手によって、さらに考えられない変化が訪れるはずだ。
先週1週間の出張ではその兆しを見た。
生コンでいいこと。
宮本充也