2017/04/03
「業態の陳腐化」 生コン・連携・共販・組合・業界・2個1
コンビニって便利だと思わないだろうか?
高くても、ついつい足を運び、数百円、
場合によっては(急いでる時など)、
1000円以上の大枚をはたかされるケースだってある。
コンビニという業態の強みだと思う。
・街角に必ずある
・ちょっと立ち寄りやすい
・トイレ立ち寄ると買わないのが悪い
みたいな、すごい便利さ→コンビニエンス、が業態のコア部分だと思う。
近年最も成長した「業態」といえば「コンビニ」に異論はないだろう。
業態の陳腐化
という言葉がある。
いったん出来上がってしまった業態はしばらくの間(寿命が尽きるまで)、
財を生み出す(きちんと利益を計上し続ける)が、
数十年の社会の変化により業態が寿命を迎えるということがあると思う。
コンビニについてはまだしばらくその在り方(業態)は社会から支持されよう、
一方生コンという業態はどうだろうか?
生コンという業態を細分化してみる。
・セメントを根っことして枝葉の先としての「生コン」のように、
・需要地(ほぼ日本全国)にセメントSS(サービスステーション)をハブに、
・3400工場程度分布していて生コンは供給され、
・商流は、生コン→協同組合→登録販売店→需要家などといったように、
・カルテルを許され、1時間半以内をエリアとしている
・骨材などは地産地消で調達されて、
・地域経済(ビルや橋ができるかどうか)に支配されている業態
ということができる。
この業態、1949年に現在のスカイツリーがあるところで始まり、
現在70年近くほとんど変わらず業態は社会に重要インフラ基礎資材を供給してきた。
「水の次に流通する材料」
「重要インフラ基礎資材」
「なくならない商売」
等といわれ業態は盤石のように思われているものの、
僕の考えは、「業態の陳腐化は不可避」であるとしている。
実際にピーク5000以上の工場が全国に分布していたのに、
現在は3400を割り込もうとしているのだから。
市場環境といえばさらにつるべ落としで経済は縮小し、
人口減少のダイレクトな影響は生コンという「業態」を襲うことになろう。
生コンアライアンス(GNN)が取り組んでいる、
・新規事業の創造(生コン以外の売り上げの柱を作る)
も業態転換の一つの手法としてすべからく生コン工場は向き合わねばなるまい。
そして、もう一つは、
・連携(共同)
ということができよう。
この、連携。
1950年代に全国各地で、
「生コンクリート協同販売組合」
という連携が生み出された。
連携というあり方もいわゆる、「業態」といってもいいだろう。
この生コン共販というあり方にも僕は陳腐化を感じている。
事実、全国各地で共販というあり方はいわば制度疲労、
そのように感じさせる出来事が頻発しているからだ。
生コンの場合は商材特性よりその複雑さは深い。
1時間30分というルールで決められた商圏。
技術革新が起きたとしても販売できる範囲が限られている。
こんなことも一要因としてあるだろう。
70年を迎える生コンという業態の在り方と、
同じく制度疲労を起こしている共販というあり方。
どちらも、今後の生コン業が世間の役に立つかどうかについて、
非常に関係の深いことだ。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
的な運用をされがちな生コン組合。
そして、その在り方はある意味暴力的に需要家に対して認めさせる力を持っている。
IT以降急変する日本社会は生コンに「業態変化」を求めるだろう。
その時に現在の生コン組合という秩序はどのように変化すべきなのか?
これまでのように、
「中小企業等協同組合法でOKなんだからいいじゃん」
という姿勢だけでいいのだろうか?
社会全体にとって有益な、全体最適を考える時代に、
生コン業も変革を求められているのではないだろうか。
そんな風に考えながら日々の仕事をしています。
※月例のNN(野村・長岡)ミーティング。2個1もいわゆる新しい連携の在り方