2018/07/23
「祝 ACI Journal 掲載! 桜田良治|残コンスラッジ」
秋田高専の桜田良治先生からの朗報。生コンポータル(長岡生コン運営)が以前協力して完成した論文が権威American Concrete Instituteの雑誌に掲載が決まった!世界的に関心の高まる残コン、スラッジという課題。
祝 ACI Journal 掲載!
※当時はまだ生コン車のドラムを利用した改質を採用していた。スラッジ固形分を残コンに対して20%利用は桜田良治先生(秋田高専)らが得た知見
※残コンスラッジ由来の骨材を用いた生コンを「構造部材」に適応した場合の研究論文
※英訳添削協力に当社Ferrari Alberto
国や地域の壁はますます壊れ流動的になっていく。
JCIは日本のコンクリート権威。
アメリカの学会がACI。
各国の学会の考え方は以前よりも相互に強く影響し合っている。
IT以降流動性の増大した現代コンクリートだけは特別なはずがない。
こうした論文発表の成果はやがて日本にも逆輸入されていく。
多くの国々の研究者や生コン実務者の影響を受けた技術が、
さまざまな形で実装されさらに進化し、
また別の国々の知見が加味されていく。
そもそもが残コンスラッジ処理システムの由来は、
イタリアと日本の実務者の交流に端を発している。
もちろん、この2国間だけじゃない。
もはや「生コン」は目に見えないさまざまな国の情熱を持った人々の影響下にさらされている。
そのことにたいして鈍感であってはならない。
日本の純潔を守るなんてことはもはや過去の話だ。
JISがISOの影響を多分に受けたように。
これからこうした生コンに関する知見は国を超えて多くの規格に共有される。
ACIではすでに2013年に、
「生コン伝票の電子化」
が規定されている。
頑なな日本の先生「国交相の口車には載せられない!!」なんて意見もあるけど、
大きな流れに1国の学会が逆らうことは許されない。
縦型権益同士の政治的争いからは学会は独立した立場であるべき。
どうなる?日本の生コンクリート
残コン、スラッジの再利用は国際的急務だ。
イタリア、日本生まれの「残コンスラッジ処理」は、
今アメリカを始め環境先進国各国で実装がスタートしている。
この度桜田先生の論文は最高権威であるACIの雑誌に掲載された。
残コンスラッジ由来の骨材は日本ではJIS化は認められていない
これはJISを作っている先生方の目に技術が届いていないからだ。
届けようと努力してこなかったからだろうか?
すでに数多くの先生の目に触れているはずだが、
どうにも規格化の話は立ち上がらない。
一方で誰も使わない囲い込まれた技術の規格化は早い。
どうも権益の匂いがぷんぷんする。
そんなんでいいのだろうか?
日本のコンクリート工学は。
日本で生まれた残コンスラッジ由来の骨材の規格が各国で規定され、
あとになって日本も追従なんてことになったら愉快すぎる。
JCIの論文発表の場で生コン工場の職員が発表するのに対して、
上から目線でダメ出しをするだけしか能のない学者もいる。
市場と顧客はそんな無駄な学者を必要としていない。
心当たりのある先生諸氏はいち早く現場に来るべきだ。
現場現物現実を見るべきだ。
でなければ国際的な潮流から取り残されガラパゴスとなる。
流動性は高まり得られる情報は同じになった今大切なのは「謙虚さ」
僕には科学的素養はない。
文系大学で演劇に打ち込んだ青春を過ごした。
家業の生コンに入職してはじめて生コンが理系マターということを知った。
今に至るまで一貫して謙虚だ。
これからも謙虚に「おかしいもんはおかしい」という曇りない目線は持っていたい。
目上の人には尊敬を、
目下の人には慈しみを。
人として当たり前のことを。
科学的素養以前の問題を。
謙虚さが共感を呼ぶ。
共感がものづくりのシーズになる。
共感されない高度な技術なんか誰にも使われない。
唯一絶対の評価者は市場と顧客
今、僕たちは本当に素晴らしい時代に生きている。
情報は極めて流動的で、
努力や成果は多くの目にさらされる。
自分の生きる時代を「隠す」ことを前提に勝ち逃げはできない。
常に誰もが評価にさらされているといういうことは、
誰にでもチャンスがあるということ。
だから、社会全体にとって役に立つ仕事をすべき時代。
桜田先生のお導きでこの度ACIの場に僕たちの技術が紹介された。
これから具体的な成果につなげていく使命を僕たちは担っている。
宮本充也