2016/12/19
「新たな売上 or 販管費の圧縮」 簡易3600万事業創造のすゝめ
成熟していて縮小傾向にある産業、
生コン業
往時は高度経済成長の影響を甘受し、
「のぼり竜」
をエンジョイした僕たち産業は一転、
「つるべ落とし」
と言われる下り坂を現在ひた走っている。
ロスジェネど真ん中の僕は業界に入って一度も、
好景気
を実感したことがない。
きっと同世代の生コン関連従事者には共感してもらえるだろう。
先を悲観して廃業してしまう会社も少なくない中、
「なくてはならない重要インフラ資材」
である生コンを指向して、
必死に闘っている会社も少なくなく、
GNNという元気な生コン工場が集まるアライアンスでは、
そんな同世代の同志が多く、それぞれがまだ手付かずの市場を探し、
日々努力し、またその経験を共有している。
生コン業界ではGNNも6年やっているのである程度の知名度や地位を得て、
イメージとしては、
「なんか新しい事業をとっぽく挑戦している」
的に思われている向きもあるようだが、
(確かにProbe→IoTとか、Re-con ZERO→海外・サステナビリティなど横文字チック)
実はそんなのはほんの一部で、実際何がやりたくて集まっているかというと、
「大切な基礎資材(生コン)を永続的に供給するための経営基盤の強化」
が目的であって、その手段として各種技術や事業に取り組んでいるのが実際。
経営基盤の強化
つまり、①新たな売上(事業の柱)、②販管費の圧縮(調達コスト含む)
を指向する上での手段として、様々な技術やノウハウが集まる。
①新たな売上
については、GNNの中に多くの先進的な生コン工場や、
またはシーズを持っているメーカーが周辺にあるため、
それらの中から自社工場に適したものを選ぶことで売り上げを確保している。
見た目的に、新たな売上、といえばとても派手で華やかなんだけど、
実は、「経営基盤を強化する」という文脈で考えると、
リスクがなく、すぐに効果が挙げられるのは、②販管費の圧縮
となる。
ご推察の通り、「新たな売上」って言いましても、
・営業方法を学ばなきゃならない
・製造や施工方法を習得しなければならない
・社内の体制を整えていかなきゃならない
etc...
○○しなくちゃならない
が、たくさんある。
一方、②販管費の圧縮はすぐに実行ができて、すぐに利益につながる。
このところGNNに協力してくれているベター・プレイス(代表森本氏)と共同で、
GNN燃料費削減プロジェクト
が動き始めた。
ちなみに当社(長岡生コン)では、
年間180万円もの利益を残すことに成功している。
売上規模が10億くらいの企業からするともしかしたら、
「たった180万?」
と思われるかもしれない。
ただ、①新たな売上、という目線で考えた場合、
その経常利益率が仮に5%だったばあい、
180万円のコスト圧縮の意義は20倍の3,600万円の売上に相当することになる。
(5%の20倍が100%)
年間3,600万円の事業を創る
僕もこれまで多くの新事業に立ち会ってきたが、
年商3600万円に事業に成長させることは非常に大変
それに比べて、②販管費の圧縮、は今日から実施ができる。
効果としては今日決断すれば年商3600万円クラスの事業を創造できる。
カラクリとしては、僕たちは「必ず使う燃料」に目を付けた。
車両を多く使うビジネスであるため、年に支払っている燃料代も相当。
そして各社各様で地域地域でそれぞれの調達を行っている。
それを、GNN97社という脈として位置付けて、調達を行う。
加盟会社によってはリットル当たり20円近くもコスト削減できるという。
燃料だけでなく、こんな可能性はいくらでもある。
数千万の売上に相当する事業をどんどん創造することになる。
解釈って大切だ。
「180万円頑張ってきりつめた」
とすることもできれば、
「3600万円の事業を簡単に創造した」
ととらえることもできる。
生コン業はとかく事業規模が中小企業の中でも大きくなりがちで、
つまり経済規模が大きい分合理化幅も大きいと言える。
地域地域で情報が限定された中で操業している工場には、
「叩けば出てくるほこり」
がたくさんある、とみなすことができる。
①新たな売上
②販管費の圧縮
実は内容は同じことをやっているわけであって、
そして比較的に簡単なのは②であることは、GNNの連携が意味するところだ。
ただし、②ばかりを追い求めていても広がりは限定的。
なぜならば、圧縮幅は売上規模に支配されているから、
売上10億の企業で10億円以上の経済合理性は見込めない。
やっぱり、大変かもしれないけど、
①新たな売上
を創造することによって、安定経営を指向することも、
とても大切なあり方だと信じている。
宮本充也