2016/10/08
「建設からの情報発信」 建設応援マガジンコラムVol.36
当たり前のことだけど、
経済がなければ仕事や暮らしが成り立たない。
経済と人口は密接な関係にある。
そして、我が国の人口は増えない。
その減り方は確実に予測できるものの一つ。
だから、自然減に任せていたら、それだけ経済規模も減少していく。
つまり、建設業はその分ん不要とされ、
現在の建設業界の規模はそれだけ削られていく。
一方、インバウンドと呼ばれる海外からの旅行者が2,000万人を超えた。
3年後には4,000万人という目標を国を挙げて掲げている。
10年前には誰も予測できなかったことだそうだ。
人がいるということはそこに経済が生まれ、
その影響は、入口は観光業かもしれないけれど、結果建設業にも及ぼされる。
経済を構成する要因としては建設業も、僕のような生コン製造者も、
他人事ではなくてきちんと貢献をすることで利益に浴したい。
10年前(今もそうだけど)インバウンドに対して保守的な観光業は、
・マナーが悪い
などといって、保守的・閉鎖的な態度をとっていたそうだ。
ただ、根本的に言えば「お客様は神様」なはずだから、
中国人だろうが韓国人だろうが、その他のすべての国から訪れる人たちも、
神様としておもてなしをしなくてはならない。
それをどこから目線かわからないが、自分たち受け入れ態勢を変えようとせず、
相手の非をあげつらう体質は僕はいかがなものかと思っている。
現在、
民泊
ということばが一般に浸透してきた。
ITを駆使して空き家(部屋)と旅行者をマッチングする。
地域によっては観光業の圧力だと思うけれど、猛烈に規制する向きもあるらしい。
ただ、このところ出張していて思うのは、
「足元見すぎのホテルまじむかつく」
である。
なんで、倍とか3倍とかになっちゃうんですか?
である。
だから、個人的には民泊ガンガンやればいいと思っている。
僕の住む田舎町伊豆の国市は今、
DMO→Destination Management Organization
異業種の水平の交流をつなげる組織を整備し、
「稼げる町を創造する」
プロジェクトがスタートしている。
なんと、生コン屋のぼくにも声がかかった。
建設業そして生コンは常に待たねばならない。
インフラが必要とされてようやく建設業は仕事を受注する。
それがなければ何もない。
常に受け身体質。
生コン業も、建設業もそうだけど、あまり社会に対して発信することはない。
だから、あまりに当たり前すぎてありがたがられないし、
「コンクリートから人へ」
なんて不当に追い詰められることもある。
僕はこのDMOをチャンスととらえている。
伊豆の国市には伊豆長岡温泉という過去には繁栄を享受した歴史ある温泉場がある。
日本全国の温泉場がそうであるように、
その凋落はすさまじい。
市内の施設が世界遺産に登録されたというのに、
観光客数はマイナスとなった。
この事実はこれまでの方法論が通用しなくなったことの証拠。
それならば、まったく新しい発想で街づくりや集客をしなければならない。
そんなことに建設業者(建設資材)がアイディアを出すという時代になった。
建設業が適正に必要とされるためには、
自らの価値をきちんと自覚して社会に対して発信するという新しい能力が必要だと思う。
きっとこうしたうねりは日本全国すべての市町でテーマとなっているんだと思う。
これまでのやり方を否定するのではない。
もう、社会の前提条件がまったく変わってしまったということを自覚しなければならないんだと思う。
つまり、ルールが変わっている。
だから、やり方も変えていかなければならない。
新しい時代の新しい建設業。
とてもいい時代に生まれたことを毎日かみしめている。
宮本充也