2018/02/03
「営業マンの話しはつまらない」 YDN・GNN・土木

ドローン
3Dスキャナ
点群データ
3次元設計データ
VR、AR
三次元プリンタ
ホロレンズ
今土木、建築界隈をにぎわせているキーワード。
昨日はYDN主宰の正治組大矢さんと、
沖縄県70年の歴史を誇る名うての土建業南洋土建比嘉専務ら、
地場土木会社同士の交流に参加させてもらった。
「スコップしかなかった時代にバックホウは受け入れられなかったはず」
小学校からの同級生でもある大矢洋平の言葉。
これって建設だけに限らず、
全部の産業のイノベーションにおける真理を指していると思う。
スコップで土を掘ったりしていた時代にある日バックホウというイノベーションが現れる。
スコップをふるう彼らは、
「あんなでかい機械では小回りが利かない」
「燃料を食いすぎるから金がかかって仕方ない」
「操作を習得するのに時間がかかるはず」
etc
イノベーションを前にして人は、
できない理由
を並べ立てる。
i-Con全盛の土木業界において、
その効用を限定的と断じきる土木技術者の態度。
そんな中、
沖縄からはるばる静岡県伊豆地方まで足を運ぶ。
大矢さんたちYDNらが展開する新技術の実践に熱心に耳を傾け、
同じ土木屋さん同士真剣に議論する。
話しは尽きない。
現場の「困った」で共通の経験があるから、
「そうそう!あるある!」
などと大笑いをしながら議論は続く。
仲間に入れない生コン屋の僕はそんな光景を眺めながら、
地域や枠組み(しがらみ)を超えた連携の本質をその交流に見ていた。
※3次元データの世界(VR)に入り込む
※同一の仮想空間の中で構造物を互いに眺めながら打ち合わせができるという
※YDNらが開発したドローンアイズ(トリプルアイズ社共同開発)
※ドローンの自動制御と写真撮影の実演
「営業マンの話しはつまらない」
土木屋さん同士純粋に技術論に熱くなっている。
お互い土木技術者だからわかる共通のあれこれ。
どこぞのメーカーの一方的な理屈による一方的な説明。
土木技術者ではない彼らの提案。
しかたのないことだけれど、
やっぱり土木屋さんの気持ちを完全に理解することはない。
彼らのやり取りの中で比嘉専務がおっしゃった一言。
「営業マンの話しはつまらないからねー」
真理だと思った。
生コン屋さんも土木屋さんも同じ。
これまで大資本の都合で作られた規格に従うことを求められてきた。
きちんとマニュアル道理に。
恭順にまちがいなくきちんと。
標準化
すべての産業に同じことが言える。
建設も一緒。
いや、特にインフラを司る建設がもっともその性質が強いかもしれない。
いつのまにか教科書通りに新しいことは考えてはならない。
そして仕事がなんだか堅苦しいことに思えてしまう。
上下の関係は明確化する。
決められたことをやる。
笑い声なんか起きない。
互い(仕入れと購買)はパートナーというよりも利益を奪い合う競合相手。
関係は乾燥していく。
規律や上下関係やしがらみを超えたネットワーク。
土木屋さん同士が笑い声をあげながら交流しているその様子に、
僕はGNNやYDNなど中小企業同士の連携の本質を見ていた。
いつのまにかしがらみが生まれて、
いつのまにか上下関係やマニュアルや標準化やそんなものが生まれる。
四角い組織図のようなものができあがり、
組織の維持そのものが目的化する。
ばかげている。
そんなもんじゃない。
明るく楽しい交流。
単純にそれそのものが目的であっていいと思う。
そこに集う人たちはそこで楽しんでいれば目的は達成している。
そこに集わない人はべつに集わないでもいい。
面白そうだから集まる。
子供のころの友達関係みたいな四角ではなくて円。
それが僕たち同業種同士の交流に最も大切な要素。
いい大人が大笑いしながら土木技術について熱く語り合う。
お互い、静岡そして沖縄、全然違う地域の土木屋さん。
なのに話題は尽きない。
土木屋さん同士の交流は今日も続く。
生コンでいいこと。