2017/02/10
「Ciao イタリア始まり」 Re-CON ZERO・飛灰・寒中・速硬・モレステ・ジャッキアップ・乳化
Ciao, Good morning!
こんな書きはじめ、僕とて本意ではない。
イタリアにきて浮かれているからではない。
ただ、イタリアの魅力に舞い上がっているだけだ。
毎度のことながら、夜の便でミラノマルペンサに到着。
いつもいつもお迎えに来てくれるジョルジオさんの車で、
時差ぼけバリバリの状態のまま市内のレストランに向かう。
ジョルジオさんのすごいところはいつでも楽しそうに仕事の話をすること。
あった瞬間から開発テーマとして挙がっている案件の話ばかり。
僕も特段それ以外の話題を持ち合わせていないし、
英語での会話となるから生コン以外の会話がまるでできず、
いつものことながら、
MAPEI訪問に関するトピックスを肴に、
ピザとビールをたしなんだ。
今日はミラノMAPEI本社にMarco Squinzi氏(副社長)を訪ねる。
・Re-CON ZEROに関する定期情報交流
今、本国イタリアでもようやくRe-CON ZEROを用いた残コン再利用が活発化してきており、
今回は特殊設備を用いた残コン再利用システムの検討を話し合う。
また、日本でも順調に導入が進むRe-CON ZEROの情報提供のほか、
・イタリアで進むごみ焼却場で発生する飛灰(ひばい)の再利用システム見学
・JIS外生コン用化学混和剤の開発
・マイナス25℃の環境でも打設できる生コン(ロシア国内関係先事例)
・6時間で24kN/mm2強度発現する普通に打設できる生コン(新混和剤)
なども協議する予定だ。
その他、日本における新技術紹介としては、
・モレステ
今、日本で話題の「混ざらない先行剤」の紹介、
LSSなどを用いた老朽化し垂れた工場や倉庫の土間コン改修工事技術、
・乳化に関する新技術情報(非公開)
などを予定している。
そういえば、Re-CON ZEROの開発だって交流から生まれている。
日本の技術とイタリアの技術を互いを尊重する形でミックスさせた。
よく日本にいると、
「日本の生コンはNO.1」
と頑迷な意見を耳にするが、
No.1の定義がよくわからない。
そもそも生コンは地産地消型産業だから、
例えば伊豆地区の生コン屋が「世界一」を標榜したところで、
その生コンは海を越えてイタリアミラノでは役に立たない。
無駄で独りよがりな世界一思想となってしまうのは避けたい。
定義をあいまいにして国粋的な矜持をもつのではなく、
適材適所でそのご当地ならではで発展した技術を讃え、
謙虚な気持ちで技術を見つめることが必要だと思う。
だから、
イタリアにはイタリアの、日本には日本の、
それぞれのよい部分を客観的に認識できるように努めたい。
さらに、今回は技術開発ばかりを話題とするのではなく、
これも7年前から続けている、
ベネチアプロジェクト
伊豆地域とベネチア市の友好姉妹関係を模索する民間草の根交流
についても週末ベネチアでゆっくりと過ごしながら現地の協力者を当たるつもりだ。
今は、午前8時。
(日本時間マイナス8時間)
30分もするとジョルジオさんが迎えに来てくれて、
MAPEI本社に向かうことになる。
朝6時過ぎまだまったくくらいミラノの街をランニングして、
準備は万端となっている。
今日も素敵な出会い、素敵な時間が待っているだろう。
日本もイタリアも、どこにいても、大切なのは人間関係。
尊敬できる人たちと尊敬できる仕事を通して、
今日という一日を実りあるものにしたい。