2016/05/07
「ドローン空撮と生コンCIM」
僕たち中小企業は結局いろいろな外部環境に振り回されてきた。
・景気が悪い
・政府が悪い
・天候が悪い
と言いたくなる気持ちもわかる。
どの業界を見ても、そして特に建設業こそ、
産業構造ががっつり「縦型」になっており、
売上は完全に政府が緩める財布のひも
に依存してきた下請け体質は事実だからだ。
そんな環境の中で「自律した主体的事業運営を!」
といっても、リスクだらけで、下手すると会社つぶしちまうし、
経営者ならいざしらず、いわゆる勤め人にしてみれば、そんなもん要求されて出来るくらいなら
「独立起業するわ」
となる。
一方、経営者の焦りもわかる。
徐々に目減りしていく収入の部に対して、明確な具体策を打たねばならない。
いろんな本を読みセミナーを受講して挑戦してみるものの、
世の中そうは簡単に思い通りには進まない。
勢い身近にいる従業員に過度な期待を寄せ、それができないとなると、
「覚悟がたりない」
「どこかに優秀な人材はいないものか」
などと嘆いたりするのだが、
そんな優秀な人材がいるならば、その会社にはいかない
というのが悲しい現実。
人口が増加し、政府の財布のひもがじゃんじゃか緩まる局面であれば、
そんな企業体質でも「全然あり」だった。
国を挙げて「やらねばならない仕事」があふれるほどあったから、
主体的努力は求められることもなく、
ただ漫然とやってりゃ金持ちにもなれたし、生活も成り立った。
そして、今その環境条件は完全に変わり果ててしまった。
変われない企業はますます衰退していき、
しわ寄せは一般従業員にまで「職を失う」という事態として波及していくだろう。
最近の優秀な大学生はなぜか「安定」を求め「行政」を指向するむきが多いが、
社会人からいわせれば、既に「安定など死後」の現代のギャップに驚きを禁じ得ない。
もう、老後の安定などというものは、過去の幻想である。
終身雇用、年功序列、ハッピーリタイア・・・。
今の20~40代がそんなものを求めているとしたら、
砂漠の蜃気楼を追いかけているようなものだ。
飛び立つことはとても怖いこと。
向こう側になにがあるかわからないのだから、相当の心の安定が要求される。
ましてや長年縦型の業界体質で禄を食んできたのであればなおさらのこと。
YDNやんちゃな土木ネットワーク(https://ydn.shizuoka.jp/)というアライアンスがある。
これまで公共事業依存型の業態と目されてきた中小土木業者。
上から降ってきたものを受け止め下に流すというルーティーンから、
横の連携を通して多くの有益な知識を共有し主体的に社会に自らの価値を問う。
「大日本元請企業とその他すべて下請けの群れ」
というビジネスモデルが終焉を迎える中で、YDNは自然発生的に生まれた。
様々な主体的な試みがそこでは取り交わされ、
いくつかの技術はこれまでのヒエラルキートップにいた企業も目を見張るほどのもの。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」
という諺が示す通り、自発的主体性を持った人のパワーは国を動かすほどのもの。
だれしも、「使いっ走り」になるために生まれてきたわけではない。
最先端の技術を組み合わせて、誰も考えなかったような価値が生まれようとしています。
ドローンによる空撮と生コンCIM(Construction Information Modelling)
VR(Virtual Reality)仮想空間の中で、実際の構造物を眺め、たとえばコンクリート構造物の各種属性がその場で「知る」ことができる。
ラピュタのような世界を提出資料として作成することができる。
その資料は未来永劫その土木構造物のトレーサビリティを裏付けるものとして残る。
今後期待が高まるメンテナンス上重要な完成に訴えかける即物的な資料として有効に働く。
「自分の頭で考えて主体的に動く」
数十年も使ってこなかった脳の筋肉だが、ひとたび開放すればとんでもないことが絶対に起きる。
その証を、6月11日恒例となったGNN元気な生コンネットワーク会合で発表する。
※GNN元気な生コンネットワーク第17回長野勉強会;https://genki-namakon.net/information/info/post.html
「わたしたちには見える、生コンの未来。わたしたちが創る、子供たちの夢」
宮本充也
※本稿はインターウェーブ社「建設応援マガジン」にコラムとして寄稿したものです