2016/05/31
身近な技術として「IoT、ICT、CIMを今一度考えてみよう」
AKBやらSKEやら、GNNもそうだけど、NRもそうか、
このところアルファベット略が多すぎて頭こんがらがるよね。
IoTだとかICT、BIM、CIM、なんだかんだ、一体全体何ができるわけ?
ということだろう。
国交省が号令をかけている「アイコンストラクション」は、
ICT→Information Communication Technology→情報技術を駆使して、
「工事の合理化を図ろう」
という考え方です。
これは、BIM→Building Information Modellingが提唱されてからというもの、
海外ではすさまじい勢いで進んでいるトレンドである。
そして、和製言葉だが、CIM→Construction Information ModellingはBIMの日本版となる。
ICTとまあほぼほぼ一緒で、とにかく情報化施工の大きなうねりという理解でいいだろう。
ここまで、わかったようなわからないような、そんな感じだとおもうが、
これらを統合するために必要なのが、IoTという考え方となる。
IoT→Internet of Things→「もの」の「インターネット」、と直訳しておこう。
生コンで考える。
生コンは、
・山河を削って原料を取り出す(砂利・砂・砕石・セメント等)→削り出す作業に重機や機械(もの)が使われる
・出来上がった原料を運ぶ→運ぶためにダンプやバラ車(もの)が使われる
・生コンプラントでブレンドされる→ブレンドするのに生コンプラント(もの)が必要
・現場まで運ぶ→生コン車のドラム(もの)に入れて運ばれる
・打設箇所(型枠の中)まで圧送する→ポンプ車(もの)の利用
etc
膨大な「もの」が介在するのは、理解しやすいと思う。
そのも「もの」と「インターネット」が単純に連携することなわけだから、
実はものすごく身近なことだということがわかる。
生コンに関するIoTの身近な例を下記に紹介する。
・プラントの計量器(もの)が検知した数値をInternetクラウドで保存する
・各種材料(砂やらセメントやら水)の温度を温度計(もの)で検知しInternetクラウドへ
・骨材の表面水を水分計(もの)で測りInternetへ
・生コンドラムの中に入っている検査端(IBB Probe→もの)が生コンの性情(スランプ・温度・粘性・容量)を計測しInternetへ
etc
これらデータがInternet(クラウド)で統合されて、そこに端末(スマホとか)からアクセスすれば、
「製造から運搬、打設状況から何から何までのプロセスが適時にわかる」
ことになる。
だから、不測の事態が仮に起きたとしても、
「その場でわかる」
から、
不良品が現場に運ばれそれを使って建物やら土木構造物ができるようなことがなくなる
ということ。
また、これらデータはこれまで個別で計測され管理されてきたけれど、
統合されるわけだから、
「生コンクリートに関する新たな知見」
を得ることだって、可能となる(→Big Data)
これが、IoTの可能性となる。
さらに、こうしたIoTによるプロセス管理の手法がCIMに組み込まれるということになる。
建設現場でももちろんだが、
・数多くの「もの」が存在する
それらすべての「もの」がInternetへデータを送る。
つまり、完全に管理された状態が創造され、
さらには、これまで脈としてつかむことができなかった多くの、
「建設にかかわる知見」
が得られることになるだろう。
ここまで読めば今後、
・隠すことを前提とした管理
は絶滅するだろう。
隠ぺいやブラックボックスはそもそも真理ではない。
これからは、本物・本当・真理・普遍が重用されるようになる。
肩書きとか所属している会社だけで威張り散らすような人がいなくなるということだ。
実力が試される時代、どうなっていくか、というより、
「どうしていくか?」
という、主体性のパラダイムが重要なのは明らかだ。
宮本充也