2016/08/10
「戦術のない戦略はファンタジー」生コン屋のIT戦略
2016年3月1日より当社の事業年度がスタート(51期)し、
今年の大目標は「IT戦略」と標榜、本日で5か月と10日が経過している。
7月度決算がまとまり、「明確にIT経由」で成約した売上額は、
1300万円(5か月)
との集計結果が出た。
だいたい月に5件のペースでWEBからの問い合わせがあり。
売上額12か月換算では、
3120万円(12か月見做し→1300÷5か月×12か月=3120万円)
が、IT戦略という未知の領域で得られたとすることができる。
(※主な製品はRCトータルサポートとドライテックの2商材)
この数字をどうみるか?
本日振り返った記録によると、およそ10年前の2009年ごろの新規事業売上は、
1000万円(年商)
主な商材は、ドライテック(※当時ドライウェイ)とRCトータルサポート。
この2商材で1年12か月でなんとか売上げた金額が1000万円。
現在の新規事業領域の12か月売上額はおよそ2億円であるので、
9年間で売り上げが20倍に増加したことになる。
一方、生コンクリート製造の売上は基本的に変化なし。
これは、生コンクリートの場合、
「自ら市場を創造して売上を伸ばす」
ことが不可能とされている業態であるため。
(※M&A等の事業戦略を除く、一定地域における操業の場合)
・10年間売上変化なし→生コンクリート製造(本業)
・10年で売上規模20倍→生コン周辺事業(新事業 ※といっても10年経てば「新」ではないが)
賢明な経営者でなくとも、どちらの事業ドメインに経営資源を投下すべきかは火を見るよりも明らかである。
なぜなら、更に10年経てば新規事業の売上は単純計算で20倍の40億円に成長する。
現在、年商2億円規模の新規事業をブーストさせるために、
今年の大目標はIT戦略とした。
結果、現在→3120万円(IT経由の年商)÷20000万円(新事業合計売上額)×100=
15.6%
の売上がIT戦略よってもたらされた。
「たったの5か月の戦略で売り上げの15%のシェアを得た」
こととなる。
明らかに異常な伸びを示している。
順風満帆のように見えて、詳しく見ていくと必ずしもそうではない。
商材別にみていくと、
問い合わせ数は「6:4」で「RCトータルサポート:ドライテック」とほぼ肉薄している割に、
売上高は「9:1」の9以上はRCトータルサポートに依存しているという結果が出ていた。
製品特性も影響しているとは考えられるが、
両者のクロージングの在り方に差があると分析される。
つまり、ドライテックでお問い合わせを頂戴した顧客に、
適切な提案がなされていない可能性が高い。
この点は改善が必要となる。
10年前にたった1000万円ほどしかなかった規模の事業が、
現在のIT戦略売上だけでも「たった5か月間」でその事業規模を凌駕している。
ITの特徴の一つに「無限の拡散性」が挙げられる。
今年度事業当初に打ち立てた「今年はITで突き抜ける」を実行する上で、
本日示された結果は「戦略は間違えていない」ことを明確に示す証左となった。
強みは伸ばす
鉄則であり、効果が確認されたIT戦略に残された7か月没入することになる。
人によってはこうした具体的な金勘定にあからさまに嫌気を示す人もいる。
ただし、
「戦術のない戦略はファンタジー。戦術のない戦略はカオス。」
とはよく言ったもので、夢を実現するためには、そろばんが絶対に必要。
これは会計思考を重要視する安本隆晴先生の教えでもある。
残された7か月でIT戦略の無限の拡散性を実証し、
色々な意味で生コン屋としての殻を突き抜けるつもりでいる。
「戦略を仕掛ける相手に手の内さらしてどうすんの?」
といぶかしむ向きもあるかもしれないけれど、
今の時代隠して顧客を騙すようなことが通用するとは到底思えず、
結局消費者は「本物」を指向する時代であるため、あえて戦略を丸出しにしていこうと思う。
それが消費者の安心感の誘導につながればこれも効果的だ。
更に、中小企業が弱いとされている情報戦略(情報発信と収集)において、
当社の本取組(IT戦略)が少しでも他社の参考になればこれにます喜びはない。
ざっくりとした僕の夢は、
「中小企業が主体的に輝く日本はもう一度成長局面を呼び起こす」
という信念を形にすることである。
宮本充也