2016/12/05
「ネットで生コンを売る」IT×生コン
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※掲載当時はインターネットで生コンのサービスはありませんでした
ネットで生コンは売れるだろうか?
生コン従事者であればきっと会話の中で一度や二度、
ネットで生コン販売
の可能性について議論した経験があるのではないか。
そして、そのほとんどが、
「無理だよね、生コンに限っては」
という結論に至っているに違いない。
それもそのはず、
今までのところネット販売で一定以上の成果を上げた話は、
聞いたことがない。
未だに、生コン(セメント)の流通は、
セメント;メーカー→特約販売店→(二次店→)生コン工場
生コン;メーカー→生コン協組→特約販売店→商社→GC(需要家)
上記フローのように、決められた企業が「パイを分け合う」構造となっている。
そして、この構造は絶対に変化しない鉄の構造と思われている。
だから、僕たちは、「ネット販売」の可能性を世間話では取りざたすものの、
本気でネット販売の可能性を追い求めようなどとはしない。
一方、ここ数十年で起きた流通の変化はどうだろう。
1978生まれの僕だって、
ものを買おうとすれば商店街のお店があった。
その後スーパーやデパートにその主役が奪われ、
更にはドラッグストアやコンビニが幅を利かせるようになり、
今やAmazonや楽天など実店舗のない業態にシフトしようとしている。
生コンだけは世の中の変化とは無関係ということはありえないだろう。
なぜ、生コンはネット販売に向かないのか。
一つには、B to B(法人-法人)業態であることが大きい理由だろう。
流通網は出来上がっているわけだし、ネットを利用せずとも情報は得られる。
また、「仕入先与信」という問題もある。
ネットのように不特定で匿名性の高い空間でものを購入した場合、
得られる保証には限界がある。
特に、生コンのように値段が張って比較的重要な基礎資材であれば、
「納めた生コンに問題がありました。ごめんね」
というわけにはいかない。
ここ最近、生コンPL保険のように品質を保証するサービスも出現しているものの、
(トータルリスクサポート社は生コン損保の草分け的存在)
なかなか一足飛びに一般化し仕入先与信問題を解消するまでには至らない。
しかし、時代の大きなうねりというものは誰も止めることはできない。
ITの文脈がもたらした流通革命は必ず生コンという製品にももたらされる。
黒船は来てほしくないと思えば思うほど来ちゃうのだ。
それでは、当事者としての僕たちは今何ができるだろうか?
僕が考えているのは、生コンそのものではなくて、
生コンにかかわる製品のEC(E-Commerce)展開
ロットが20㎏くらいで通常の物流インフラが活かせる物品。
GNN元気な生コンネットワークにはそれに近い文脈の製品がいくつかある。
・俺の生コン→いつでもどこでもインスタント生コン
であれば、ほんの少し使いたいよ生コン、という一般消費者のニーズに対応できる。
また、
・セルドロン→瞬間吸水材
・バルチップ→鉄筋・メッシュのいらないコンクリートのための材料
・タケサイト→スラッジ生まれの炭酸カルシウム
等々、袋で供給できるサイズのシリーズなどもそうだ。
そもそもこうした新技術系の製品は既存流通で売れづらいこともわかっている。
どちらかといえば新技術として設計や行政など消費者に近いところを説得する、
「スペックイン型」(設計折込)
の製品・技術であるから、ECサイトの文脈にも沿うだろう。
わからない。
今は生コンがインターネットでクリック決裁のイメージが湧かない。
ただ、現代の変化のスピードを冷静に眺めると、
「生コンはネットでは売れない」
と言い切れないなにかを感じる。
新技術を見た時にいつも思うことだけれど、
「ワクワクする。他でもない自分がこの技術を世間に広げたい」
気持ちは常にあって、100人いたら99人までが、
「そんなの無理でしょ」
と思われれば思われるほど、仕事としてやりがいがあるのではないか。
そう思ってしまう。
IT×生コン
現在の日本でこのテーマに思い切りコミットしている人は少ない。
経営資源すべてを投じるほどのギャンブルはできないけれど、
意識の高い仲間たちとなら全く新しい生コン流通機構を創れるような気がする。
宮本充也