2016/06/21
「メルマガのゴミ箱行きを避ける方法」生コン屋のIT戦略
僕たち建設系の営業マンには共感してもらえると思う。
建設営業マンあるある、
「隣のデスクの営業マンが見積もり提案をする物件の図面には、その隣の営業マンが担当する商材が提案できるのに、情報共有がされない」
他の業種でもそうかもしれないが、営業マンはなかなか情報をオープンにしない性質がある。
一つの建物、一つの土木現場には、
無数の消費があるものだが、
とかく営業マンは自分の製品をうることばかり考える、プロダクトアウト思考に陥ってしまう。
土木技術者にも似たような現象が起きているそうで、
「自分が寝ないで作った技術提案の書類などはすごく大切で、おいそれと人に見せてやるもんか」
という心理。
競合他社に対しては当たり前だけど、場合によっては会社の中でさえ、
「好き嫌い」
という心理から、共有されないこともあるだろうし、別に悪気がなくても、
「え~?知らなかったの??こんなに一緒にいつもいるのに!」
みたいなことは一般的にもよくあることなのではないか?
なぜ、こうしたことが起きるのか?
回覧板などもそうだが、従来の情報の流れというのは、テーマや種類で整理され、
その縦の脈で伝達されていた。
・家を建てたい人
・設計事務所
・工務店
・各種下請け
・各種材料メーカー
・その原料メーカー
といった具合だ。
情報というものにはきちんと属性をつけなくては、あまりにも多くある情報に混乱してしまうから、
当然縦の脈で整理する必要が生まれる。
しかし、縦の脈では冒頭から上げたような、共有されないことによる、
「機会損失」
がどうしても発生してしまう。
そこで、IT(まさに、Information Technology)の登場となる。
数多くの機会損失、
「いやー、あの日あの時にその情報言ってくれてたら、○○を買っていたのに」
ってやつ、は実際に「売上」られていた売上ってのは、実際に数えたら相当あるんじゃなかろうか?
何千人もいれば、コミュニケーションそのものがコストとなる。
「誰かが持っている情報を本当に欲しがっている人に渡す」
ことが同じ会社の中でさえできていない。
そして、今の時代そんなもの簡単に解消できそうなのに、なかなかできていない。
例えば、
「ある現場で、○○というメーカーの××を使ったらすごく施主に褒められた」
という会社としての大きな価値になりうるような情報ですら、
・蓄積
・整理
・分析
される手立てはなかなか確立しそうで、確立しないのだそうだ。
とある大企業で聞いてきた話で思いついたアイディアだが、
組織そのものがその仕組みを構築するのではなく、その役割は、
「僕たち供給者」
が行うようにする。
僕たちが持つ商品・技術はいくつかあって、それぞれにそれぞれの、
「役に立つあの日あの時」
があるわけで、
「役に立ったあの日あの時の事例を関連する人に向けて情報発信をする」
ということを始めることにした。
メルマガなんか、読まれない。
当社NR Timesやブログやらもそうだが、
例えば、おなかすいているときにレストランの情報を提供するなど、
読み手側が「そのタイミング」を迎えていないと、情報は無意味となる。
情報はきちんと受け止められニーズを呼び起こしてこそ情報となる。
大量の情報をただむやみやたらとまき散らしたところで、
「ごみ箱行き」
の設定になるだろう。
事実、僕の友人は僕のメールアドレスをゴミ箱設定していた(笑)
いくつかのニーズ毎、たとえば、
・土間コン(→ドライテック、繊維コンクリート、即生etc)
・補修(→RCトータルサポート)
・新技術(→セルドロンなど)
・リサイクル(→IWAシステムなど)
毎に対象をカテゴリに分けておいて、
そのニーズに区分している人に、それに関連する情報を定期的に提供するほうが無駄が少ないだろう。
そして、そのためにわざわざ情報を創ったり編集したりするのではなく、
既に蓄積している、または日毎産み出されている、
・NR Timesの記事
だとか、
・ブログ
・施工実績
・よくある質問の回答
などをコピペして発信するだけで、改めて新しい業務を増やす必要はない。
IT戦略などを標榜して4か月が経過しようとしているが、
情報の発信の仕方を日々工夫することによって明らかに変化が起きている。
建設業は保守的で閉鎖的と言われているが、
その分これまで蓄積してきた情報の質・量ともに、目を見張るものがある。
新しい時代の新しい情報発信という未知の領域を旅することは、
毎日本当にやりがいを感じている。
宮本充也