長岡生コンクリート
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2020/03/27

【山盛りorすり切り?・バケット定格容量】

【山盛りorすり切り?・バケット定格容量】

「このオペさん、上手いよ!」
「下手なポンプよりも速いね」

現場での生コン打設には、いろいろな手法がある。
ポンプ打ち、ホッパー打ち、ネコ打ち、などなど。

今回は、重機のバケットによる打設。
現場のバックホーに、生コン車を直付けする配置となる。

打設は開始から順調に進み、生コン車も次々に入れ替わっていく。
この現場、重機のオペに対する運転手さんの評価が高い。

IMG_9682.jpg

「ここはねぇ、取りが速いからいいよ!」
「オペの腕でここまで違うんだから、すごいよね」

毎日、あちこちの現場で打設に立ち会う運転手の方々。
彼らの見る目は、時に厳しくもあり、また適正である。

代行試験をしながら見ていると、確かに重機の動きにムダがない。
このオペさん、配置移動の際にも、隙を見て生コン車へと指示を送る。

「あ、もっとこっちこっち!」
「この辺りに、斜めで受けるから」
「盛りかえるから、少し待機してて~」

一連の動きが滑らかなので、運転手さんの手も空かない。
現場試験終了後、試料を戻している時に声をかけてみる。

私「速いですね。このオペさんの操作は」
運「おぉ、あっという間だよ!下手なポンプよりも速いね」

私「0.7のバケットで、何杯くらいですかね?」
運「そうだねぇ、10杯ちょっとじゃないかなぁ...」

→「0.7」とは、「コンマ7」などと呼ばれ、「0.7m3」のことを指す。
運「ところでこれ、バケットの量って、山盛りで計算するんだっけ?」

突然の質問の切り返し。
バックホーは通常、そのバケット容量で区別されることが多い。

1回の旋回でどれだけの容量を運べるかが、作業の肝となる。
その作業効率を考慮しながら、重機やバケットの選定が行われている。

「あそこは泥みたいなもんだから、コンマ7(0.7)ね」
「あそこの土は粘性があるから、スケルトンバケットがいい」
「あそこの盤は、平爪じゃないと引っ掛かっちゃうよ」などなど。

先の質問への返答。(バケット容量は山盛り計算か否か?)
「え~、そうでしたっけ?容量っていう位だから、すり切り計算でしょう~!」

→はい、これ×(バッテン)!間違いでした...
こんな所にもJIS規格が適用されている。さすが「日本工業規格」(これも×→正しくは「日本産業規格」)

<JISA8403-4 第 4 部:バケットの定格容量>によると、
ホウバケット及びグラブバケット・クラムシェルの定格(山積)容量 定格(山積)容量は,平積容量と山部の体積との和とする。

bucket_volume.jpg


つまりは、コンマ7(0.7)のバケットで生コン打設しているとはいえ、
1回の作業でバケットを満載にしても、0.7m3は入らない、ということ!

おぉ、それは知らなかった。
またひとつ、賢くなったぞ。ありがたい質問に感謝!

さて、この重機のスーパーオペについては、また次回。
つづく

NR試験室 二見

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士