2016/12/16
「生コン芸人」 情報・市場
生コン産業は情報発信が上手じゃない。
「知ってもらう」
だけで市場が生まれることはある。
昔で言えば、みのもんたさんが、
「これは体に良い」
と言った瞬間に店頭から商品が消えるなんてことがあった。
情報=市場形成
という意識が僕たち生コンには希薄で、
それというのも、ビルや橋が建てられれば必要とされるから、
指示通りに作ってりゃ売れてたから、
自分たちの価値を世間に発信する必要がなかった。
ただ、博多の陥没事故でLSS流動化処理土に一躍脚光が浴び、
今日も伊豆地域という全く離れた場所で大量の注文を受けていることからも、
「情報発信の大切さ」
は僕自身肌で感じているところである。
情報が市場を作り富を産み出すことは事実だ。
僕が唯一娯楽として観るテレビ番組はアメトーク。
日曜もアメトークで先日は家電製品が取り上げられていて、
「家電芸人」
てことで、芸人さんたちが面白おかしく家電に関して議論していた。
きっと、取り上げられた家電はものすごい勢いで売れたと思う。
購買意欲が非常に薄い僕でさえ、こりゃべんりそうと思ったのだから。
「生コン芸人」
希求する。
喉から手が出るほどやってほしい。
劇団ひとりさんが、
「生コンてぇ、ロマンがあるじゃないですかぁ?」
等と言って、「生コンてなんだよ!」とかって突っ込まれたりして。
一般には、
「生コンもセメントもモルタルもあんまり違い知られてないですよね?」
みたいな感じで話がつながっていって。
フリップで生コンとセメントとモルタルの違いが示されて、
客席からうら若き女子たちの、「へ~」とか拍手とかが聞こえてて。
現実離れしすぎてあまりイメージがつかない。
しかし、アメトークが扱うテーマは必ずしもメジャーなものばかりではなく、
時には、「誰が知ってるんだよそんなもん!」みたいな内容を、
1時間たっぷり、しかも面白おかしく放映したりしている。
ならば、ぜひやってもらいたい、
「生コン芸人」
それがあまりにもマニアックすぎる、企画として難しい、
梶さんがなかなか首を縦に振らないということであれば、
「コンクリート芸人」
という妥協案も用意することにやぶさかではない。
とあるセメント会社がジャニーズアイドルの工場訪問企画を寄せられたという。
どういう判断基準だったのか知らないが、
セメント会社はその価値を理解できずに断ったと聞く。
「もったいな!」
ほとんどすべての人達がそう思うのではないか?
実際のビジネスにおいては「知られてなんぼ」は実際ある。
知られてなければ存在していないのと同じ。
「あ~、1か月前に知っていれば買っていたのに、残念」
こんなふうにして購買をほのめかされたことは僕の経験でも一度や二度ではない。
どうしても、どこまでいっても、僕たち生コン業は、
業界の中だけでよろしくやっちゃってる
ところが大いに反省すべき点だ。
このところ、おかげさまで非常に多くのお引合いを、
主に一般のお客様(B to C)からIT経由で寄せられている。
そして、それは、現実に売上という経済活動に発展している。
お金の話をしたとたんになんだかいじきたない見下された感じを抱く人もいると思う。
だけど、そろばんなき理想は社会に何の貢献もしない。
押し売りのボランティアがそうであるように。
生コン芸人
なかなか難しいとは思うけど、「生コン女子」や「生コン男子」など、
これまで僕たち業界ではなかなか語られなかった文脈を開発すること。
情報が市場を創る。
この発想こそ、僕たち生コン屋は大切にしていかなくてはならない。
宮本充也