2016/12/24
「てことは、サンタはいないってこと?」 Merry Christmas
小学3年生と2歳児の男の子がいる。
3年生の長男と大浴場の湯につかりながら、
「サンタクロースは実在するのか?」
について語り合った。
未だに覚えている。
サンタの役目を果たしているのは母だったことに気づいたのは、
小学2年生のことだったので、
1年年長の長男が多少訝しみながらもサンタを信じているのがかわいらしい。
「でもさ、1日に世界中の子供たちに届けるって現実的ではないよね」
という発言に同意する長男。
「あと、注文を受ける方法だって重要だと思うんだよ、メールとかファクスで・・・」
「メールとかファックス?」
笑いながら聞き返す長男。
話が進むにつれて現実的な話題が出てきて興味深そうにしている。
「きっと、1人では無理だよね」
「てことは、サンタはいないってこと?」
核心につく質問が飛び出る。
「いや、いるはずだよ」
「そうだよね、サンタ村って村があって、そこに住んでいるって聞いた」
きっと小学校の友達との会話で仕入れた知識なのだろう。
「そうか、サンタ村には大勢のサンタが住んでいるんだね」
「そうかも」
「組織的に配送をしないと、とても一人で一晩ですべての子供たちに届けられないもんね」
一晩で世界中の子供たちに夢を届ける。
「たっちゃんは、手紙か何かでほしいものを伝えたの?」
「ママに言った」
「きっとママはサンタにmailかFAXをしたはずだよ。代理で誰かが伝えないとサンタがわからないもんね」
なるほど、に表情が明るくなる。
毎年当たり前に欲しいものが自分のところに届く理由。
少しずつ仕組みがわかってきているような。
だからって、サンタが実在しないってわけじゃない。
「お母さんやお父さんが代わりにやる場合もあるよ、そりゃ」
そうか、いくら組織的なサンタだとしてもすべての子どもを回れない。
だから、場合によっては父母がサンタの代理をやるケースもある。
「え?うちは?」
「いや、うちはきっとサンタが来ているはずだよ。パパはやったことない。いつも寝ちゃう」
「ママかな?」
「いや、寝てるからわからない。でもさ、パパとかママが忙しかったり、何かの理由でいない場合の家を優先するんじゃない?」
サンタの代わりを誰かがやる場合があったとしても、
実在するかどうかを問題とするわけじゃない。
サンタは、実在する。
夢を届けるサンタがいて、
それをきちんと実現するための仕組みがあって。
子供との他愛のない会話で逆に僕が気づかされたような。
サンタは、実在したのだ。
現実は夢にあふれている。
とてもロマンチックな世界だ。
人が人を思いやり、
ますます社会は暮らしやすく美しいものになる。
一人ひとり大切な使命をもって生まれてきて、
それぞれが誰かの役に立つ、夢をかなえる。
夢をかなえるためには、
信頼関係を基礎に置いたとても素敵な仕組み「現実」があって、
夢をかなえるためには、
一人ひとりがその仕組みに従って決められた業務を果たす。
業務そのものは夢っぽくなくて、仕事っぽいつまらないものに見えるけど、
実は誰かの役に立っていて、社会はよりよいものになっている。
生コンという仕事が詰まらない人も、面白い人も。
仕方なくやっている人も、夢をもってやっている人も。
生コンじゃなくても、生コンでも。
やっていることは、きっと誰かの役に立っている。
派手じゃない、地味で退屈で、合コンでモテない感じの仕事だとしても。
今やっている生コンという仕事。
生コンがより社会の役に立つためにやっている仕事。
それらは、誰かの夢をかなえる素晴らしい仕事。
メリークリスマス。
良い、クリスマスを!
なんちゃって!
Merry Christmas 2016.
宮本充也