2016/12/29
「コンクリート研究所」 人材・才能・開発
どの会社も「若手」の育成は重要なテーマだと思う。
自分自身を振り返ってみるとなんとなくいっちょ前みたいな気になっていて、
若手を見ると物足りなさを覚えるということがあるかもしれない。
ただ、10年20年経ってしまえば、その若手はとても頼りになる人になっている。
だからあまり焦らずその人の才能が開花するのを待つことが重要。
解っていても、実体経済の中で評価される組織を運営していると、
「できるだけ早くいっちょ前、即戦力」
を求めてしまうのも人情だと思う。
期待の新人、幸野史也23歳独身。
特に中小企業では人材が宝になる。
僕自身の経験だけど、一人の人の意識が変化するだけで、組織ががらりと変化する。
高校野球と近いかもしれない。
規模が大きくなればなるほど属人性は失われ経営が安定化され、
人材の入口「採用」もふんだんに予算をあてることができるし、
そこで競争という原理を作用させることで有意なる人材を発掘できる。
(僕はあまりこうした競争原理は好きではないが)
一方中小企業では、上記競争を背景とした人材開発はできない。
もはや、運に身を任せる、に近い採用が実態となる。
この場合、数か月~数年経って、
1.「だめじゃんこいつ」
になるのか、
2.「ありがとう、君の貢献はすばらしい」
のどちらかとなる。
最近わかってきたのが、「だめじゃんこいつ」に結果としてなるのは、
もちろん本人の能力や姿勢もあるのだけれどそれ以上に、
組織や経営者サイドの問題の方が影響が大きいということ。
「だめじゃんこいつ」
と思っている組織が「だめじゃん」なのである。
組織は人材が輝けるための機会を提供することが重要な責務であって、
様々な努力をして「その人だけの才能」を発揮できる分野を示す。
河魚を海で泳がせてはだめなように、
忙しい中でもその人をとことん見つめる時間を設け独り立ちできるまで支援する。
そうした姿勢が重要なんだと強く思っている。
そんな趣旨から、幸野さんには、「コンクリート研究所所長」になっていただくことになった。
ルール→月例で「湧いた疑問を実験して動画をWEBにアップする」
・生コンを灯油で練るとどうなるんだろう?
・牛乳で練るとどうか
・ローション?
・炭酸水!
・シャンプー(笑)
・そして、水
まだ、生コンに染まりきっていない状態で組織が、
「生コンてこうゆうもんだ」
と押し付けてしまえば確かに実務をこなす人材としてはすぐに活用できるかもしれない。
だけど、「自分の頭で考える」という機会を最初につぶしてしまうことにならないか。
そんな問題意識から上司の小松英樹が監修し幸野さんと面白おかしくスタートした。
中小企業はとにかく人で変わる。
弱小高校野球チームにダルビッシュが入れば、とたんに甲子園に出られるように。
僕たちはせかせかと環境変化に翻弄されるのも大切だけど、
一緒に働いている仲間に、
「環境変化に対応できる才能や能力」
を育んでもらうことのほうが重要だろう。
「釣果ではなく、釣竿を渡す」
理屈や理想は語るのは簡単だけど、
実際経営資源に乏しい中小企業がこうした挑戦をするのは結構大変。
だけどとりあえず幸野さんは面白そうにやってくれているので、
後はじっと我慢して焦らず組織として見守れたらなと思う。
近々第1回実験の結果が共有される。
その模様はまた発表したいと思う。
1回の人生、素晴らしい才能、幸野さんだけの貢献を爆発させてほしいと思う。
宮本充也