2016/12/31
「つるべ、おとされちゃうのか、羽搏くか。」 よいお年を
さて、今年2016年もどうやら暮れていくようだ。
それぞれの人にそれぞれの2016年があったと思う。
生コンブログも2016年を締めくくっておきたいと思う。
1月、長瀧先生が最高顧問をつとめる、日本コンクリート技術社、
「プレキャストと生コンの技術交流会」
という構想が持ち上がる。
Industry 4.0・パラダイムシフトを迎える建設業において、
これまで「協力」「連携」という関係になかった両者の業界が、
相互補完を模索するという篠田社長からのアイディア。
これが、今年の生コン・コンクリートにおいて画期的な出来事だったと思う。
GNN元気な生コンネットワークの工場数が記念すべき100工場となった。
新しい連携の在り方として数多くの価値を世に生み出してきたものの、
現状の業界ルールではそうした有意な技術群は埋もれてしまう。
世のなかにきちんと役に立てる技術であるというのに、
それらはどうしても限定されたフィールドでの採用にとどまってしまう。
GNNという中小企業ネットワークとしてのインフラが創造され、
ITという新しい文脈による情報発信が重なり、
既存ヒエラルキーのトップからボトムまでが2020以降の業界に対して、
危機感を共有する時代になったことを感じた。
このうねりは、2017年セメント新聞の猪熊夏子さんがリードする構想、
・生コン女子
・ALL CONCRETE
等の2017年のイベントに引き継がれていく。
技術的には、国交省が推進するi-Constructionが注目された。
GNNが発信するProbeシステムや全国連携の在り方が国に届き、
来年具体的な形として生コンからのi-Constructionが創造される。
再生・リサイクルについても、ますます業界の注目度が高まっている。
「捨てる場所がない」
全国の生コン工場が保健所の指導を受けるなどが報告され、
保守・閉鎖的な生コン業もいよいよこの分野に関して重い腰を上げる時期がきた。
蓄積された多くの残コンソリューションは民間任せにするのではなく、
発注機関や行政も認識した形できちんと取り扱われる次期が来たともいえる。
特に強く実感したのは、
「これまで出会いようがなかった人たちが出会えるようになった」
・静和貿易→生コンスラッジのCaCO3化
・川端工業→ポンプ圧送行との連携
・グロースパートナーズ→除染利用や京都大学との共同実験、特許取得
・ITベンダー
・海外企業(Mapei、Comand Alkon、EDC Life他)
・LIMEX(ストーンペーパー)TBM社
・アーキテクツスタジオジャパン
・大洋コンクリート(二次製品メーカー)
・麻生(建設コンサルタント)→維持管理・破壊試験を色合わせ技術と組み合わせる
山奥の生コン工場で生コン組合だけに生コンを販売する
そんなあり方では絶対に出会うことができなかった多くの出会いがあった。
それらが掛け合わされるだけで多くの技術革新の芽が今年も生まれ、
2017年はそれらのいくつかが、ALL CONCRETEの文脈から世に出るだろう。
70年近い歴史を持つ生コン業の底力が本領を発揮する準備が整った。
来るべき大災害
技術革新やInnovationなど光の当たる分野だけじゃない。
僕たち生コンが本当に求められて居る分野はインフラを守る・創る。
前向きに技術創造をしていく一方、生コン産業の現実は2020以降に向けて、
「つるべおとし」
そんな時代、奪い合う、足を引っ張り合う、そんな生コン業でいいわけなかろう。
つるべ落としの状態で、大災害が起きる。
今までのようなダメな中小零細企業、ダメな談合体質ではなくて、
強い中小企業としてその時を迎え、安定した経営体制でインフラを守り・創りたい。
その意味でも、需要に応じた僕たち業界のリサイズ・最適化が必要となる。
競争→共創
様々な分野で言われているパラダイムシフトは、僕たち生コンも無関係ではない。
あまりダジャレっぽいのは好きじゃないけど、
来年2017年は鳥の1年、酉年。
聞こえる社会・経済環境だけをとらえれば、とても苦しい1年となりそう。
2016年に積み上げた人の連携が試される1年。
つるべ、おとされちゃうのか、羽搏くか。
鳥のように。
もしこちらをお読みになっている方がおられましたら、
2016年は本当におかげさまで素晴らしい一年とすることができました。
2017年みなさんが素晴らしい1年を勝ち取るために、
どうか健康管理に留意して、休むべき時はきちんとやすんで、
心穏やかに思いっきりそれぞれの貢献において大活躍いただけることを祈っています。
僕がなにかお役に立てることがあったら、ぜひ教えてください。
生コン業から日本と世界を明るくしていきたいと思っています。
いつもありがとうございます。