長岡生コンクリート
ポータルサイト生コンでは随時生コンに関連する情報を生コンブログに載せて発信いたします。
その他、運営会社長岡生コンクリートからのお知らせなど、生コンブログをよろしくお願いします!

2017/01/05

タグ: , ,

「ぞっとする新年あいさつ回り」 災害・建設業・カウント

「ぞっとする新年あいさつ回り」 災害・建設業・カウント

建設従事者なら共感してもらえると思う。

僕にとって、今年のあいさつ回りは16年目。

16回もやってると、歴史語れる。

巡回するルートや個客リストも16年単位だと変化する。

顧客(建設会社)の人員配置も変化するし、

そして、

廃業してしまった建設会社のなんと多いことか

たしかに、この16年今に至るまで生コンは右肩下がり。

順調に人口減少の後を追い仕事は減っている。

1年単位じゃ気づかないけど、

16年前に再敬礼して上得意だと教えられていたお客様が、

今は看板を下ろしてしまっている。

とくに、実際に重機や作業を負担する中小規模の請負会社は、

極端に減少したように思う。


数だけじゃない。

16年前には多くの物件を抱えタフな価格交渉で知られた勢いのある業者が、

今は年に数本大型受注をするかしないか。

中にはデスクの数に比して在籍技術者人数が半分にも満たず、

または休眠状態をかこっている会社もすくなくない。

いけいけの、古老の役員が、でんとふんぞり返っていた光景が、

今は見かけることが難しい。

心なしかデスクに置かれている業者からの

「営業名刺」

の数も、寂しいような気がする。


往時を懐かしみ建設復活を恃んでいるのではない。

僕が今年切実に感じたのは、

「この状態で大災害来たら大丈夫なの?」

ということ。


コンクリートから人へ移行、僕たち建設に対する風向きは厳しい。

数十万人単位で建設市場から労働人口が移動しているといわれる。

僕の住む町伊豆地域。

周囲をぐるり海に囲まれ、駿河湾沿岸はリアス式になっている。

プレートが重なり合う地震の巣と古くから呼ばれ、

40年も前から東海大震災、最近では南海トラフの発生が懸念される。

その時、沿岸部は壊滅的な被害を被るとされている。

その時、こんな状態で大丈夫なんだろうか?


実際に現地に立ち会うとわかる。

災害の直後から動き出すのは、国交省や自衛隊などではない。

地元建設会社だ。

データベースではない、

生まれてからその土地にずっと暮らしている彼らの脳や肉体に、

その土地がどんな地形で、どんな人たちが暮しているか、

刻まれている。

そんなふるさとに身を寄せる建設が、

僕の知る限り16年も不遇をかこっている。

儲からないから、やめる。

儲からないし、3Kにみえるから、若者が職業として選ばない。

さらに、人が減る。


必要ないものは創る必要がない。

それは、わかる。

だから、建設の労働人口を別業界へ移動させるべきだ。

マクロで考えればその通り。

ただ、それは平時のみを想定した話。

3.11以降多くの災害で理解されたことを、

いちいちの災害単位で終わらせてはならない。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」

にしちゃだめ。


本来は晴れやかな気持ちで回るべき年始あいさつ回りに、

僕が考えていたことは概ねこんなことだった。

僕の知るたった16年でさえこれだけ痛めつけられた建設を囲う地域に、

大規模災害が襲い掛かる。

その日は必ず来る。

悲観しているだけじゃなくて、

こうして、焼け石に水かもしれないけれど、

僕たち建設従事者自身がこうした現状を声に上げなければならないんだと思う。

すこしでも共感してくれる人の輪が広がれば、

最悪のその日まで、少しでも理解者の数が増えるのなら、

災害直後のテレビテロップの忌まわしい数字、

死傷者数のカウントを僕たち自身が今から減らすことができる。

少しずつでいいから、当事者としてできることを実行していきたい。


宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士