2017/03/31
「ワイン×生コン」 業界・イメージ
コンクリートが重要なのは言うまでもない。
いうまでもないのだけれど、
誰もそのことに意識を向けてはいない。
それは僕たちがコンクリートの素晴らしさを伝えてこなかったからだ。
じゃあ、どのように伝えるのか?
実は、この「どのように伝える」が非常に重要となってくる。
生コンクリートの歴史は70年近く、水の次に流通するといわれている重要インフラ基礎資材である。3.11や熊本地震の例を引くまでもなく、コンクリートの堅牢な基礎は防災・減災に大きな責任を果たし・・・
これじゃ、だめだ。
全然、だめ。
おそらく、「コンクリート」と「歴史」というワードあたりで、
「×」ボタンを押してしまうことだろう。
最近、そんなことを意識している。
セメント新聞社の猪熊夏子さんはもともとアパレル、ファッションの業界にいた。
社長が親類ということもあって数年前にコンクリート業界にきた。
彼女の問題意識は、
せっかく素晴らしい仕事をやっているのに、コンクリート業界はまったく世間に認知されていない。認知されていないからイメージが3Kなどと不利な見られ方をしていて、実態が全く理解されることがないから、若手の入職が減少し、産業そのものが衰退していってしまっている。
というのも、アパレルやファッションの経験からだそうだ。
アパレルはなんだか華やかなイメージ。
ただ、実態は休みがほとんどない、深夜にまで及ぶ残業、給料安い、ハード・・・・
なのに、なんとなく華やかだから、若者は群がる。
これからの生コン産業を占うに当たって、
僕はこの猪熊さんの課題設定は非常に素晴らしいと考える。
まず、伝わる形を考えること。
それが重要。
いかにコンクリートが素晴らしくて、その素晴らしい仕事を誇りに思っていて、やりがいを持って仕事をしていようがいまいが、
伝わらなければ存在しないのと同じ
という過酷な現実。
一つのイベント企画として、
「ワイン×コンクリート」
を考えている。
ミスマッチングの妙である。
ようは、
「コンクリート」
とか言われると、一般人はそっこう引く。
立ち去る。
「ワイン」
なら、僕も含めて興味を持っている人は多かろう。
入口として、コンクリートでぐいぐいいくのではなく、
一般が興味を持ってそうなテーマから入る。
そんな伝え方。
といって、ワインを貯蔵する材料にコンクリートが使用されている。
意外と知られていないだろう。
こうしたトピックスや、あるいはソムリエのワイン講座を皮切りに、
コンクリートへの関心を高めてもらえるような試み。
ようやく入口に入ってもらってこそ、
コンクリートを理解してもらえる。
入口に入ってくれない限りは
どれだけ熱意をもってコンクリートを作っていても感謝されないし相手にされない。
だから、
「伝える」
これからのコンクリート産業にはこうした言語が重要なのだと覆う。
コンクリートについてはほとんど偏見を持たないまっさらな状態で現れた猪熊夏子さん。
彼女には変にコンクリートに染まることなく、
曇りなき眼と頭脳で多くのイベントを発想してもらいたい。
そして、いつしか、
「伝わる生コン産業」
が生み出され、多くの若者が群がる業界になり、
栄光の生まれる業界を作り上げていきたいと思う。