2016/02/02
「流通パラダイムシフト」スラグの行方
ちょっと専門的な話。
スラグという言葉があります。
私たちの業界では鉄鋼スラグ・銅スラグ・電気炉酸化スラグ・溶融スラグ・ガス化溶融スラグ・・・
ようは、何かを作るとき(または燃やした時)に出る砂状のゴミのこと。
これらゴミは僕たち生コン工場が受け入れて原料として使っている。
セメントや生コンは多くのゴミを受け入れていることは一部ではよく知られている。
創るときの動脈産業でもなくてはならない。
だけど、棄てるときの静脈でも重要なポジション。
今、ガス化溶融スラグという新たなゴミがあります。
従来の火力発電所で発生するごみの減容に成功し、砂状になったゴミです。
情報インフラが整った現在。
そのスラグ(砂)という「可能」は、
ダイレクトに生コンという「必要」につながります。
これまでとちがって、発生した場所のすぐ近くの生コン工場へすぐに持ち込める。
一旦集約して流通に載せる必要がない。
必要と可能の間に情報という脈ができているから。
「全国に点在する必要と可能がそれぞれでつながる」
必要と可能が近くなのにいったん一か所に物流をかけて集約しまた必要に配分する。
これまでの複雑な流通がいらなくなった。
今まで垂直統治で見えていなかったものがガラス張りになる。
不必要なものは本当に不必要なものになる。
MAPEIを始め多くの海外メーカーの人から言われること。
「日本の流通構造いみわかんねー」
「複雑すぎ」
他の分野で起きていることは、必ず私たち生コン業界や建設業界におこります。
それを必死に維持することは原則に反することです。
垂直統治に水平の脈を作ること。
生コンだけではありません。
こうした取り組みはこれからの産業構造を最適化する上でのカギになると思っています。
宮本充也