2017/07/12
「俺の言うこと聞けないんならつぶしてやる」
今日は数年来親しくしている業界関係者と面談した。
僕より年下だけどよく業界のことを考えている。
ご本人の了解を得ていないので名は伏せる。
けれど非常に生コン業のことを客観的に見つめている方。
その彼曰く、
「今の生コン業に入りたい若者なんて皆無でしょうね」
厳しい指摘だが真実だと思う。
とある地域のとある生コン屋の社長。
「俺の言うこと聞けないんならつぶしてやる」
その社長が同じ地域のとある生コン工場の社長に浴びせた言葉。
これ、ビジネスだろうか?
これ、社会に貢献する人の科白だろうか。
同業他社に対してもこうだから、
きっとこの社長は社内の人たちに対しても同様の態度なのだろう。
そして残念なことにこうした風潮は生コン業に多い。
商売って、僕が義務教育で習った商売の在り方って、
社会貢献だったり地域貢献だったり、
あれは違うのだろうか?
生コンという製品を世の中に供給することと、
競合他社または周りにいる利害関係人を恫喝することは、
まったく無縁のことだと思う。
なのにこの手の人たちは後を絶たない。
それは、日本の生コン業が特殊だから、というだけの理由ではないと思う。
確かに
・石灰岩自給率100%
・島国(外圧にさらされづらい)
・カルテル(協同組合)
という特殊事情の影響もあって我が国の生コン業界は特殊な発展を見た。
1.5時間の円でくくられるご当地の市場は、
早い者勝ちで操業した生コン工場主導による組合運営により、
独特の、その土地ならではの市場が形成されている。
これまでいやというほど見てきたけれど、
その土地の覇者みたいな人たちには素敵な人があまりいない。
その土地の有力ゼネコンまたは有力企業、
の傘下の生コン工場の雇われ社長が、
「ジャイアンですか?」
と聞きたくなるほど傲慢な態度で周囲を威圧する。
(僕はその人に初対面で「おい、おまえ、どけ」といわれたことがある)
その結果どうなるか?
日本一安い生コンが流通することになり、
そのしわ寄せは弱いもの弱いもの、
(従業員や弱小他社)
に寄せられる。
最低賃金で働かされてハッピーなはずがない。
この業界、
50代でもまだ若手
80代、下手すると90代にリーチするような人たちが意思決定をしている。
これ、まじです。
こんな業界、入りたいと思うだろうか?
その彼と話していて、
改めて自分のできることから行動に移していかなければならないと思った。
生コン業。
どうしても、1.5時間の壁、があるから世界が狭い。
意識して視野を広げていかないと、
どうしても見えるのは1.5時間の壁の中の同業他社の噂話。
不思議な業界。
生コン組合では他社の出荷数量が明白にされている。
ラーメン屋さんとかその他業種にそんなことあり得るだろうか?
そして、おいしいラーメン屋さんの前に並んでいる行列を、
無理やり縄で引っ張っていってまずいラーメンを食わせておいて、
同じ価格を要求する業界ってあるだろうか?
若者は夢や選択可能性や希望や栄光を選ぶ。
僕たち業界はこのままで選ばれるだろうか?
実際の話をすれば、
選ばれていない。
残念ながら、夢も選択可能性も希望も栄光もない。
目を輝かせて、
「自分、将来の夢は、生コン工場で重要インフラを地域に届けることです」
ついぞ聞いたことがない。
誰が悪いか。
僕たちが悪い。
僕も生コン業の一員。
静岡県東部エリアの1工場。
1工場が良くなるためにはエリアの他の工場もともによくならなくてはならない。
そのためには他エリアと刺激・競走しあっていい業界を考えなければならない。
そのためには、業界全体が良くなることを考えて行動をしなければならない。
当たり前のこと。
今日はそんな独り言。