2015/11/02
「グローバルとローカルと生コンと特に土木」身近になった災害
特に田舎で生まれた人には共感していただけると思いますが、田舎生まれ田舎育ちの人は体にその土地の地形や風や太陽が染みついているものです。子供 の頃の遊びといえば友達と丘に登り森の中で秘密基地を作ったり洞穴を見つけ忍び込んでみたり危険入るなの看板のかかったため池の柵を乗り越えてみたりなど が相場となるわけですが、そんなことを繰り返し繰り返ししていると途端にそうしたものに飽きて思春期を迎え教養がつき多くは地元から離れていくのだと思い ます。
今は都市に生活している方でも目を瞑ればきっと子供の頃に駆けた山河の景色が浮かんでくると思います。それは脳裏や体にしっかりと刻み込まれた原体験のようなもので、永遠に取り外すことのできないものです。
連日報道される自然災害のニュースもあって以前に比べて災害がより身近になりました。土砂崩れや大地震、津波や洪水は昔であれば対岸の火事でありお気の 毒様なものだったのですが、もはや他人事ではない現実として多くの方は認識されているものと思います。ITが爆発的に普及し人やものの流動性が飛躍的に高 まりなんとなく勘違いしてしまいそうなのですが北海道の人はあくまで北海道の人、アメリカの人はあくまでアメリカの人。どれだけコミュニケーションの質と 量が大きかったとしても所詮は遠くの人。そんなことを考えさせられる出来事がこのところ私の身近でも頻発し「グローバルとローカルと生コンと特に土木」な んてことに想いを馳せるようになりました。
実際経験してきた災害の現場では直後に行動する人は当然その土地にいる人です。人やものの流動性が高まりご近所にだれが住んでるかわからないけど遠方の 人とはよく会うなんて方が増え、以前華やいでいた地元のお祭りもなんだかパッとしなくなり若い人たちもなんとなく地域コミュニティーに対して冷めてしまい 趣味趣向の会う遠くの友人とのコミュニケーションに興じる、そのこと自体はいいことなのかもしれませんが一方で自然災害は確実にやってきます。
このところの土木工事の入札方法を見ていると情報技術の発展のおかげでより開かれた競争入札制度が導入され大規模なものだとWTO案件といって入札参加 資格を広く海外の企業にまで与えるようなトレンドが建設産業にも訪れているけれど、もし土砂崩れや水害が発生した時に最初に動いてくれる人ってのは実はそ の土地で子供の頃から山河を駆けその土地の地形や気候を肌で知り尽くし思春期を迎え教養をつけてそれでも地元に残ることを選択した土木業者の人たちなで す、実際。
技術やノウハウは広くグローバルに習得をすべきだとは思いますが、生コン屋なんかをやっているとも最終的に還元すべきは故郷なんだなと常に感じるもので す。生コン屋なんか特に地元に完全に縛られて1時間半の壁を越えることのできない業態なわけですから、災害時には地域コミュニティーのリーダーたるべく身 近なってきた今だからこそ防災について意識を高くしておかないとと思うわけです。