2017/09/23
「生コン、プレミアムフライデー、働き方改革」
建設業に身を置いていて、
プレミアムフライデーだとか、
働き方改革とかという当今のワードに、
なにかうつろな響きを感じる。
そんな人もいると思う。
ほんとかよ?
と驚いてしまうくらいのはたらきかたをしている人。
身の回りに普通に聞こえる。
僕にはとてもまねできないはたらきかた。
はたらくってなんのため?
不幸になる為に?
消耗するために働く?
建設業に身を置いているとわからなくなる。
生コンブログの始まりである。
実態を把握せずに数値目標を課す。
どうなるだろうか?
しわ寄せがただ下層に寄せられるだけとなる。
実態がどうなっているか。
知っている人は知っていると思う。
残業やら非効率の病根は、
「生コン」
に関連するところがとても多い。
これまでも多く紹介してきたように、
生コンは次第に固まって最終的に価値を発揮する、
半製品
製造直後は単なるどろどろの物質。
それを鋳型の機能を持つ型枠に投入し、
締固め養生され数日経って、
梁や柱、または基礎や土間などコンクリート構造物となる。
つまりそれだけ管理が必要となる製品。
手がかかる。
冬場の土間コン
ブリーディングといってコンクリートから上がってくる水が収まるまで、
待つ
待ってから仕上げが始まり悪い場合には仕上げ終了が深夜。
生コンのせいで「手待ち」が発生する。
大の大人が現場でぽかんとする。
現場で発生する残コン。
誰の所有で誰の責任かが明確となっていないため厄介。
1日4,000現場(推計)といわれるポンプ打設で必ず発生するホッパー残コン。
平均で2時間その処理にかかっている現実。
1日8,000時間
生コン工場では前日大量に余ってきた残コンを、
翌日重機などで2~3時間かけて砕く。
騒音や粉塵が発生する。
建設現場で発生した残コン。
ゼネコンは業者さんの力を借りてそれらを翌日はつる。
現場内から運び出す。
人海戦術。
翌日が日曜日だったらどうなるか?
そのコンクリートが高強度だったら?
誰かが日曜日出勤しなければならない。
その処理を請け負わなければならない。
デートの約束は?
家族との団欒は?
号令をかけるのは大切だ。
きちんと働き方に意識を持つべきだ。
ただ、現実を適正に認識せずに号令だけをかけ、
誰かが得たプレミアムフライデーの陰で、
誰かが深夜ひっそりと仕事をする。
日曜日に仕事をする。
残業がなかったことになる。
そんなことにならないためにも、
きちんとした現実把握をしそれに対して技術革新をもたらす。
i-Conに代表されるようなInnovationは人に幸せをもたらすためのもの。
僕たち建設ひいては生コンに従事する人たちは、
プレミアムフライデーも、
働き方改革に対しても、
ちょっとうつろな印象を感じている人が多いはず。
目の前の現実を直視しよう。
横文字やおしゃれなワードに騙されるな。
完全週休二日を語る前に、
目の前の残コンを解決する方法を模索しよう。
誰かにしわ寄せを寄せずに済む方法を、
頭から湯気が出るほど考えよう。
無理やり完全週休二日にしたり、
残コンを完全に有償化すること。
それは僕たちにとってのハッピーかもしれない。
そしてそれが同時に誰かにとってのハッピーでなければならない。
誰かにしわ寄せをひっそりと寄せて、
得られたハッピーは本当のハッピーだろうか?
自分だけが良ければそれでいいのだろうか。
産業人として生コンにかかわる僕たちは、
建設にかかわる人すべての幸福を考えて、
目の前の仕事と向き合う必要があると思う。