2018/02/10
「地元を知悉する建設事業者が必死に除雪を行う」
福井県並びに北陸地方で記録的大雪に被災されている方々が一日も早く通常の暮らしを取り戻すことを心より祈っております。
南国育ちの僕には経験がない。
大雪。
身近な人が大雪に苦しんでいる様子が知れる。
残コン技術フォーラムを共に歩んでいる川端工業中村さんや、
YDNでご縁のある地元土木業道端組の道端さん。
現地の建設関係者としての様子がSNSを通じて知れる。
SNSのある時代に生きていることがうれしい。
もうしばらくテレビを見ないようになった。
聞くところによると報道は自衛隊の活躍を知らせているようだ。
広島県安佐南区の復旧ボランティアの活動の経験でも感じたこと。
報道はオオトリモノを好む。
地元の地味な建設会社の地味な救援活動は報じられない。
インフラを担う僕たちはつくづく当たり前を守る企業なんだなと思う。
どんな土地にも必ずそこに土着している人たちがいる。
僕は伊豆の国市を一度も離れたことがない。
結果的にそうだっただけなのだけれど。
どこに何があって、だいたいどんな風な人が住んでいて。
地元のことなら風のようにに知っている。
学習することではない。
子供のころからそこに住み友達と山河を翔ける。
その過程で知らないうちにその土地の地形や、
それ以外の歴史や様々な知識が蓄積されていく。
どのあたりにどんな崖があって危なくて、
どのような道があってそこは封鎖されるとどうなって。
以前どんな災害があったときにどのような苦労があったか。
どの河川が氾濫するとどのあたりの地域がやばい、とか。
安佐南区で見たのは知られず活躍する地元建設業者の姿。
災害は初動が大切といわれる。
なによりも一番初めになにをどのようにするべきか。
どこに誰が住んでいるか。
家族構成はどうなのか。
お年寄りはいたっけ?
まだ生きてたっけ?(笑)
そういったいちいちを知悉しているのは誰でもない地元の人。
そして、実際にものを動かすことのできる重機や車両を持っている、
建設事業者
そんな建設事業者の手によって最初の救援活動が行われる。
災害に見舞われたことのない人にはわからないと思う。
地元建設事業者が誰に頼まれるわけでもなくただちに動く。
そして救援の地ならしが行われた後に自衛隊や国交省などが動く。
知られず自ら行動をする建設事業者に心無い言葉をあびせる一般人があるという。
「雪が山になって車入れない、いつになったら除雪するんだ?」
攻撃的に、その復旧の遅れをなじるという。
テレビに移される勇敢な救援活動の陰で、
地元を知悉する建設事業者が必死に除雪を行う。
誰にも感謝されることなく、
当り前だといわんばかりに罵倒する。
豊かな国となり誰もが平穏な暮らしを送ることができる。
すばらしい国日本。
建設に身を置く僕たちが次にしなければならない事。
それは、僕たち自身がどんな仕事をしていてどんな価値があるか。
伝えること。
知られず、罵倒され、迷惑がられる、建設業。
このままさらに若手は入職を拒み、
ますますやせ細っていく建設業。
そして、知られぬまま破たんの方向へ猛スピードで走り続ける。
既に破たんしているのかもしれない。
これは誰の所為でもなく建設業自身の責任。
伝えてこなかったことの責任。
この国の当り前の豊かな国を支えている。
誰にも感謝されることなく支えているのは建設業。
その建設業が痩せて細ることは自分たちの基礎を壊す行為。
感謝されなくても、罵倒されたとしても、それは避けなければならない。
福井県並びに北陸地方で記録的大雪に被災されている方々が一日も早く通常の暮らしを取り戻すことを心より祈っております。
福井県の当り前の豊かな暮らしを守っているのも、建設業。
一日も早く通常の暮らしに戻りますよう。
心より祈念しております。
中村さん、道端さん、北形さん、
そのほかの建設従事者の皆さん、
体を壊さない程度にみんなのために頑張ってください。
なにもできなくてごめんなさい。