2018/07/12
「メビウスループ、つけてみたけど|エコセメント」
生コンポータル運営長岡生コンクリート(静岡県伊豆地方)ではエコセメントを標準化している。このほどJIS Q 14021 : 2000に規定されるメビウスループを伝票に印字して出荷が始まる。
メビウスループ表示で生コン出荷
※さまざまな産業で環境意識の高い製品にメビウスループが貼付される
※このほどJIS伝票にメビウスループを貼付して生コンが出荷される
地球市民という考え方がある。
大げさかもしれないが仕事には誇りを持ちたい。
なんのために仕事してるの?
「家族を養うため」
「糊口(ここう)をしのぐため」
「金のため」
「名誉のため」
「なんとなく」
いろんな動機付けがあっていいと思うけれど、
なんであれ仕事には誇りを持ちたい。
生コンという製品は人を守っている。
3.11の時にもそうだった。
強靭な国家は社会インフラ(中でも生コン)に依るところが大きい。
生コンという仕事を選んだことを誇りに思う。
真っ直ぐにそう信じて仕事に熱中したい。
一方、生コンは天然資源の再加工産業。
生コンの主要原料は、
・セメント
・粗骨材(砂利とか砕石)
・細骨材(砂とか砕砂)
いずれも、
山河を削ってできたものを加工して原料としている。
つまり、自然を壊して自然からの脅威に備えている。
という見方ができる。
僕たちはここから目を背けてはならないと思う。
口では格好のいいことを叫びながらも、
一方のネガティブな話題は敢えて口にしない。
都合の悪いことには蓋。
現実問題として地球は有限だ。
産業革命以降かつてないスピードで地球の資源は枯渇への道をひた走っている。
生コンだってその1である。
年間100万m3というおびただしい量の生コンを作るために、
それだけ自然を削っているという事実を忘れてはならない。
有限な地球で僕たち生コン産業が選ぶべき道筋。
サステイナビリティ。
セメントだけじゃない。まだまだ極める!
この際規格があるとかないとかどうでもいい。
規格が整備されなければ普及できない。
そんなの嘘。
たしかに規格が邪魔をして製品が出荷しづらいというのはある。
けれど、そんなことを理由にしていたら。
規格行政が整備してくれるのを待っていたら。
いつまでたっても自分たちが誇りに思える生コン産業は来ない。
もう、護送船団でお上が引っ張ってくれる産業ではないのだ。
自ら信じた道を進む時代になっている。
※改めて見ると「再生骨材H」しか規定されていないのは奇異に映る
そもそも、「規格」で語るべき内容ではないのかもしれない。
大学や研究機関のお偉方がリードした規格は、
残念ながら使い物にならないものが多い。
規格に従順な生コン工場各位がまったく再生骨材コンクリートの規格を標準化していないのがその証拠だ。
規格にリードされてエコを推進する時代ではないのかもしれない。
今回はエコセメントの標準化。
一応つけられるものはつけておく、ということでメビウスループ。
でも、考えてみれば長岡生コンは以前から再生骨材(残コンスラッジ由来)を使った、
JIS外品(規格外品)をこれまで10,000m3以上出荷している。
規格行政には褒められたことは一度もないが、
実際には誰もやれていないことをやってきている。
ここからさらにまだまだ。
今後の規格行政は民間の躍動的な実践にきちんと目を向けて、
そうした実績を規格に反映させる努力を怠るべきではない。
IT・流動性の時代。
もはや、ヒエラルキーでリードする産業構造は終焉しているのだ。
宮本充也