2018/08/18
「大型動物に踏みつけられないための中小企業の闘い方」
中小企業は人が少ない、もの(資産)もない、金もない、情報も限定的。そんな存在がなんの工夫もなく市場に挑戦しても勝算はない。生態系に例えれば大企業という大型動物に簡単に踏みつけられてしまう。そんな中で選択しうる闘い方を議論した。
大型動物に踏みつけられないための中小企業の闘い方
当社生コンポータルもそう。
大方の中小企業には潤沢な金はない。
人も大勢いない。
ものだって溢れているわけじゃない。
ちまちまと購入するし、
できるだけ長持ちするようにしている。
情報だって事業範囲が狭いから大手企業に比べ限定的。
そんな中小企業がもつ自分たちだけの価値。
きっと広く社会全般にお役に立てることのできるだろう価値。
その価値を社会に問う。
大方の想像通りそれほど生易しいものじゃない。
これまでGNN元気な生コンネットワークの経験で僕たちが感じてきたこと。
企業間連携
これは中小企業単独ではとてもできなかったことを可能にする魔法。
単独の生コン工場で経験できることには限りがある。
その工場の経営資源を総動員してとあるテーマを追い求める。
それはたった1社の経験でしかない。
だから、サンプル母数が非常に少ない。
正しいかどうかもわからない。
けど、GNNで同じテーマに共感する工場を仮に10工場募ったら。
1回の経験で得られるサンプル母数は10倍に膨れ上がる。
それぞれの環境で10回の経験が生成されそれらが共有される。
他者が経験した成功体験や失敗事例を、
さながら自分たちの工場も擬似的に経験することができる。
リスクも分散できる。
例えばとある機会やプロジェクトに100万円かかるとして。
その取り組みに1社単独で挑戦すれば、
リスクは1,000,000円
例えば共感するほかの9工場を募ることに成功すれば、
単独1社のリスクは100,000円まで低減される。
10分の1までリスクが減る。
市場を生態系・エコシステムと考えた場合。
僕たち中小企業が単独で大手企業のものまねをすることはあまりにもリスクが高すぎる。
これまでGNNで経験してきたこと。
さらに発展的な新たな展開が芽吹こうとしている。
中小企業が苦手なマーケティング
例えば当社生コンポータルのキラーコンテンツとも言える、
透水性コンクリート
生コン組合から割り振られる生コンに慣れてしまうとわからなくなってしまう。
当たり前のことだけど、ひとりでには売れない。
勝手にお客さんから連絡が来て勝手に売れていく。
そんなことは万に一つもない。
これまで経験して来た透水性コンクリートは、
マーケティング
という市場に対して存在を知らしめる活動が非常に重要であるということが知れた。
このマーケティングはむろんタダ(無料)ではない。
WEB広告やセミナー開催、それに付帯するDM配信、メルマガ配信、見学会開催、交通費、事務費その他。
生コンを生コン組合を経由して販売する
というこれまでのあり方には存在しなかった新たな活動にかかる費用は数百万、数千万に登ることがある。
少しの売り上げで得られた利益をそのままマーケティング費用につぎ込んで少しずつ規模を拡大していく。
これが、当社生コンポータルのこれまでの歩みだったと言える。
その「歩み」を「走り」に加速させる。
そんな闘いが始まろうとしている。
価値を持っている中小企業がマーケティングを共同する
GNNという中小企業関連系が生み出したものは大きい。
※全国200に及ぶ生コン工場の配置
生コン工場には少なくとも100前後のご当地の取引先(建設事業者)がある。
小規模な建設事業者であればあるほど。
これまでの購買活動は多段階の流通を経由して、
中には50%を超過する流通コストを負担していた。
会社の規模が小さくて地域限定で仕事をしているという理由だけで、
大手企業よりも2〜3倍も高いものを買わされるという現実があった。
中小企業関連形が生み出したのは、
全国の生コン工場がブリッジ役となって全国の小規模建設事業者にダイレクトにものを届けることのできる流通機構。
例えば200の工場の周りに100ずつ建設事業者があったとして。
その数20,000社の小規模建設事業者を「市場」と捉えることができる。
これが、GNNや中小企業関連形が創造した価値。
一方で生コンポータルのように価値ある製品を市場に届けたいとねがうサプライヤーは少なくない。
供給者としても既存の流通構造に阻まれて価値を届けられなかった企業は少なくない。
そんな価値を持った比較的規模の小さい中小企業がマーケティングで連携する。
新しい中小企業関連形。
費用もシェアできる。
広報活動のための見学会やセミナーもシェアできる。
いろんな活動をシェアすることによって、
負担を最小限にとどめながら効果的に価値を発信することができる。
そんな闘い方。
GNNもそうだった。
これからのマーケティングに関してもそう。
時代のキーワードは、
企業間連携。
単独では踏み潰されてしまいかねない弱者としての中小企業。
自主性を持ちながら市場で果敢に挑戦できるようにするために。
志のある中小企業が連携し始めている。
新しい市場が生み出されている。
生コンでいいこと。
宮本充也