2018/09/03
「もう、嘘をつくのはやめよう」
月初めの朝礼はビジネスパートナーの野村商店野村さん(代表取締役)にもご参加いただくことが常となっている。仕事とか会社とか人生とか。雨の週初め、月初め。僕たちは一体何のために仕事をしているのだろうか。
経営者とはかくあるべし
思えば野村さんも僕も自分で生コンを始めたわけじゃない。
たまたまそんな家に生まれそのように期待されその期待に応えた。
経営者とはかくあるべし
社会的生物だから本人がどう思っていようとも外部からの影響にさらされる。
よく言われる。
経営者の肩には多くの人たちの人生に対する責任がのしかかっている。
だから、しっかり責任ある振る舞いをしなければならない。
誰からも尊敬される人でなければならない。
本人が望もうと望まなかろうと。
外部からの影響にいつしかそうした振る舞いを身に付けるようになる。
それってつまり本当の自分を隠す。
虚像、仮面をかぶって生きる。
そういうことを外部は経営者に対して強いるということになる。
これって健全なあり方だろうか?
インフォーマルな雰囲気の中で野村さんと交わしたのはそんな意見についてだった。
経営者だって二日酔いになる(僕はしょっちゅうだが)。
疲れる。
ムカつく。
キレる(どれもこれも僕はしょっちゅうだが)。
暴言を吐く。
暖かい言葉をかけられ胸が熱くなる。
優しさに涙が落ちる。
そんな本当の自分を隠して会社に出る。
公の場所に出る。
それを求められているのだろうか。
つまり、嘘をついて自分にはっぱをかけることが「美」なのだろうか。
これは、誰にとっても同じことだと思う。
経営者として。
部長職として。
母として。
夫として。
社会人として。
いつしか社会が決めつけた仮面をかぶって僕たちは社会に出る必要があるかのような錯覚に陥っている。
出勤前に本当の自分を覆い隠す鎧を着る。
本当は弱いのに。
本当は小さい人間なのに。
本当は。
もう、嘘をつくのはやめよう。
「嘘はついちゃいけません」
習ったことはいつしか建前になって。
みんな嘘ばかりつく。
本音を隠す。
下げたくない頭を下げる。
おべっかをつかう。
そんなのはもうこりごりだ。
経営や仕事のパラダイムが大きく変化したことを感じる。
ひとりの人として有限な人生をどのように過ごすか。
そこに「経営者として」とか「〜〜として」みたいな虚像を持ち込むのはナンセンスだ。
宮本充也として。
野村勝也として。
だれそれとして。
自分が望む本来のあり方をいついかなる場所でも全うしたい。
本来の自分として。
弱さも、強さもさらけ出せる。
嘘をつかなくてもいい職場環境。
そんな職場環境を作りたいんなら。
まずは、たまたま経営者になってしまっている僕たちから発信すべきなのかもしれない。
もう、無理や嘘をつく場としての「仕事」はやめよう。
そのためには自分たちからそう発信しよう。
本当の自分をさらけ出す時。
職場は笑顔に包まれる。
ロボットや機械のような「ごうりてき」な冷たい雰囲気ではなく、
血の通った人としての交流が始まる。
それが、不定形な有機体としての中小企業の醍醐味であるはずだ。
仕事を最高に楽しもう。
1週間がはじまる。
生コンでいいこと。
宮本充也