2018/09/09
「生コンに従事している人で地元が嫌いな人は不幸だ」
生コン工場は地域に経済がなければ存在を許されない。地元が末永く存続するためには、地元の経済が潤う必要がある。この美しい伊豆の自然が世界に認知される最初で最後のチャンス、2020五輪自転車競技開催は伊豆で開催される。
2020五輪自転車競技は伊豆で開催される
※葛城山頂上から眺める駿河湾の景色。島は淡島
※徒歩1時間圏内にこうしたハイキングコースが多くある
※松崎町にあるなまこ壁。近くには長八美術館も
※地元ろっぽう野菜。潤沢な自然の恵みは四季を通じて楽しめる
2020五輪は最後のチャンス
生コンに従事している人で地元が嫌いな人は不幸だ。
地産地消ビジネス。
地元の自然を少なからず削らせていただいて、
再生産される生コンクリート。
それは、人々の生活の土台を守り、
災害時には復興の基礎資材をもたらす。
その生産量はできるだけ少ないほうがいい。
あまり多く生産されるとそれだけ土台を削ることになる。
けれど、なくなってしまうのはいけない。
だから、バランスを考えて、僕たちは必要最低限の生産量でもビジネスとして成立するあり方を模索する使命がある。
自然と共存し合うことのできる生コン業。
一方、生コンを取り巻く現実は厳しい。
人口減少局面において活躍のフィールドは年々狭まっている。
ピーク5,000を数えた工場数は、
現在全国に3,000と言われている。
さらに、1,000は「調整」を余儀なくされるだろう。
必要とされる生コンの数量は地元人口に正比例する。
伊豆を含め地方の生コンを取り巻く現実は過酷だ。
昨日から今日にかけて友人達と目一杯伊豆を満喫した。
鮎の友釣りで活況を呈する狩野川を歩き、
ロッククライミングで有名な急斜面、
城山のハイキングコースを一気に登る。
葛城山、発端丈山と続く平坦な林道を散策し、
駿河湾に落ち込むリアス式の崖を滑り落ちるように下山する。
そこは御前崎まで見渡せる駿河湾の三津地区。
そこから沿岸部を6kmランニングして内陸伊豆長岡温泉に戻る。
豊かな自然は一度災害が起きれば僕たちに襲いかかる。
リアス海岸に押し寄せる津波は甚大な被害を想定している。
その時にも僕たち生コンは自然の恵みを削り取らせていただきながら、
止めてはいけない人類の営みに貢献する義務がある。
使命がある。
その時に青色吐息の経営状況で復興が遅れる。
使命を果たすことができなくなる。
そんなことは絶対にいやだ。
この素晴らしい自然が2020世界中に知られることになる。
多くの世界中のひとたちに僕たちの愛する大自然を案内できる。
多くの人たちが訪れれば、
それは経済の発展を意味する。
僕たち生コンが果たすべき領域が増える。
生コンに従事していて地元が嫌いな人は不幸だ。
愛する地元がさらに健全な成長を果たすことができるように願う。
願うなら、それを具体的な形に起こす努力をする。
2年足らずでやってくる五輪に向けて、
例えばバックパッカーに生コン工場の敷地を電気水道付きで提供する。
あるいは英語のブログで伊豆魅力を発信する。
多くの人たちに開かれた伊豆を発信し続ける。
そこに暮らす人たちの日々の思いを言葉にする。
少しでも共感を期待する。
一見生コン業がやることではないかもしれない。
それでも、地元を愛して、グローバル社会に貢献したい市民として。
仲間たちと伊豆自然に溶け込みながら考えていたことは概ねそんなことだった。
宮本充也