2019/01/30
続々ペアワークの成果生まれはじめる

今年から始まったペアワーク。担当という専門性が裏目に出ると組織の中に壁ができる。できるだけ流動性の高くガラス張りで風通しのいい組織を期待して。1週間ごとに職員総当たりでペアを組んで互いを理解する。ペアワーク報告。
ペアワークの成果ってなんだろう?
日頃現場での納品や見積もり作成を担当するまさつぐさんが、マーケティング(情報発信)やバックオフィスを担当する鈴木さんに、残渣式流動化処理土の見積書の作成方法をレクチャ。
普段製造(オペレーター)を担当する廣川さんが、会計・総務全般を担当する池上さんから月末の支払いチェック作業を学ぶ。
出荷業務がメインの横田さんが二見さんに教えてもらいながら試験室業務(スランプ、空気量)を行う。
「俺しかできない」という罠
ジョブローテーションという言葉がある。
職域の流動性を高めて強靭でしなやかな組織を創造する。
組織の個人があらゆる職域に理解を深める。
その有用性はすでに常識となっている。
ジョブローテーションが推奨されている。
その、ジョブローテーション、出来てる?
生コン工場を始め僕の知る限りあらゆる組織は役割分担が明白になっていて、
いつしかいい意味でも悪い意味でもその役割が個人と個人を遮る、
壁
になっているようにみえることが多い。
「あの仕事は〜〜さんじゃなきゃできない」
これは一見その人の能力が素晴らしいようにも思える。
そしてその人はそのことに矜持を抱いていることだろう。
「俺しかできない」
というプライド。
「あの人がやめたらあの会社はもたない」
そう言われるとさぞかしプライドをくすぐられることだろう。
勢いその人は止めることができないばかりか、休むことすらままならないように追い詰められていく。
それが、流動性の低い組織の実態。
試験室が財務会計を、バックオフィスが営業実務を。
休めない会社。
流動性の低い組織。
それは、健全度が低いことを意味する。
特定の個人に負担が集中する。
それは、「ボトルネック」と呼ばれ組織にとってはがん細胞のようなもの。
自分の適性なんかわかっているようで実はわからない。
「やってみたら意外と試験室じゃなくて会計の方が向いてた、楽しかった。」
なんてことがあるはずだ。
かく言う僕の今週のペア相手は新米の三浦さん。
日頃庭コンのコンテンツ作成やバックオフィスを中心に仕事をしている。
「出張、初めての経験です」
そんな彼女とともに、営業実務のジョブローテーションということで某大手住宅メーカーの役員さんを訪ねた。
僕が新米だったころには大手メーカーの役員が相手なんて声や手が震えてきっと実力が出せなかったことだろう。
結果、どうだったか?
長年営業をしてきた僕よりも熱く的確に喋り、クライアントの専務さんを説得していた。
日頃庭コンのリライトで習得した知識をいかんなくプレゼン。
お施主さん目線でなにが求められているか。
トレンドはなにで、その上で何が効果的か。
初めての出張。
初めてのセールス。
まったく感じさせない、天賦の才を発揮していた。
これが、ペアワークの醍醐味。
自分の隠れた強みを発掘する経験。
人それぞれに輝くものが必ずある。
その人だけの貢献。
強み。
担当、肩書きといったいつしか自分自身と混同してしまいがちな鎖や壁を取っ払ってみる。
普段やっていないことをやってみる。
別の役割を担っている人の生の気持ちに触れてみる。
人生に共感する。
ともに、生きる。
ペアワークを始めて4週目。
組織のあちらこちらにいろんな発見が生まれているようだ。
口だけじゃないジョブローテーション。
生身の人に刻まれる組織の生命力。
強く、健全な生コン業の萌芽をみているようだ。
そんな生コン業が届ける生コンがすこしでも良質で価値のある、
「生コンでいいこと」
を1人でも多くの顧客に届けたい。
生コンでいいこと。
宮本充也