2019/03/24
生コン製造舞台裏【ペアワーク】製造担当廣川さん
プラントでの生コン製造を主に担当する廣川さんとのペアワーク。生コン製造1日の終わりの舞台裏で感じたこと。
生コン製造の舞台裏
予定されていた全ての出荷が済むと日課の構内点検が始まる。写真はプラント直下に溜まった生コンのはつり作業。
最初に300kgの水をミキサーの中に投入、排出。そのあと、600kgの水で再度ミキサ内を洗浄する。
ミキサー内部、あるいは排出ホッパー内部は水で洗浄した程度では綺麗にならないため、「今プラントにいるから触るなよ」表示をマウスに乗せていざプラントに入る。
ミキサー、排出ホッパーそれぞれに4つの窓があり、内部を高圧洗浄機で丹念に洗浄する。
夏場は1時間半、冬場でも1時間。
生コンは半製品。
時間の経過とともに、巨大なビルやダムを支える強度を発現する。
1日、10m3の出荷でも、300m3の出荷でも、
出荷したら必ずミキサーと排出ホッパー(ないし周辺)に生コンが付着する。
少量、大量出荷問わず、それら跳ねた生コンはかちかちに固まる前に除去する必要がある。
この作業に、
・夏場1時間半/人
・冬場1時間/人
という経営資源がかかっている。
理屈で知っているのと、実際に立ち会って自分も経験(教わる)してみるのとまるで違う。
自分ごととして置き換えてみて、いろんな気づきを得る。
ペアワークの醍醐味だ。
組織の必要不可欠な役割の中にこうした苦役が未だに存在することを実感するのだ。
たとえダメだったとしても、1時間を30分にする試み、作業そのものを楽にする試み。
日頃孤独、単独な作業であるミキサー洗浄。
作業しながらいろんなことを話し合った。
「短縮したり楽にしたりはこれまで考えたんですよね?」
(これは、同僚・仲間を思いやる言葉としての投げかけ)
もちろん、主になって担当している廣川さんはさまざまなことをこれまでも考え実行に移してきたという。
ただ、孤独、単独な挑戦は功を奏さない。
努力の歴史を知ることができた。
作業しながら、
「〜〜なんて、どうですかね?」
「例えば、ここを〜〜に置き換えてみたらとかってどうですか?」
時には的外れでありながらもいろんな提案を投げかける。
作業が単独・固定化すると、それ以外の可能性になかなか想いを馳せる機会が減る。
「ああ、それは考えたことないな」
「やってみたいですね。たとえ失敗だったとしてもいいですもんね」
普段、1人で作業すると、作業そのものがどうしても機械的になってしまう。
ペアで仕事をする。
作業に別の視点を持ち込む。
お互いがお互いの立場に思いやる。
ペアワーク。
もちろん忙しい中でも取り組み。
年中べたべたペアでいる必要もないしそんなこともできない。
ただ、確保できた少しの時間を、今週のペア相手への配慮に捧げる。
その人がどんな気持ちでどのように仕事をしているのかに触れる。
自分の担当する仕事についてやりかたを教える。
理屈じゃないその連続が透明で風通しのいい組織を作り始める。
組織の中に壁はない。
隠すべき情報もない。
組織はそこに集う個人のためのもの。
個人は組織を通して喜びを手にするべき。
生コン製造の舞台裏におよそ2時間立ち会って考えていたことは概ねそんなことだった。
宮本充也