2019/07/23
「やっぱり現場が一番大切」収束に向かう吉本騒動に想うこと

闇営業問題に端を発する宮迫 vs 吉本興業の騒動を見ていて思うこと。経営者が忘れてはならないこと。組織運営において最も大切なこと。現場至上主義「やっぱり現場が一番大切」。
「やっぱり現場が一番大切」
ここに、吉本興業の騒動について要約しようとは思わない。
結果的に吉本興業の岡本社長側が折れる形で収束に向かっている。
松本人志さんも「芸人ファースト」という印象深い言葉を述べた。
会社や組織を運営(経営)していて一番危険なこと。
それは、管理業務が幅をきかせること。
スタッフ機能や間接部門が一方的に現場に命令を下すこと。
組織はいろんな出来事に対応するたびに繰り返し変化する。
そのうち階層構造が出来上がる。
上意下達が合理的とされ、現場には本部または経営陣の意思決定が押し付けられる。
いつしかそれは序列となる。
階層構造の上に行けば行くほど偉い。
価値のある人間。
現場に行けば行くほど価値が低い。
妄念が組織の中を渦巻くようになる。
そもそも、経営者や経営陣、あるいは管理部門は、管理そのものが目的ではない。
サポート、支援すること。
現場を預かる個々人がなるべくやりやすく。
価値をダイレクトに円滑に生み出しやすく。
そんな文脈で必要とされるのが、経営者や経営陣、あるいは管理部門、コンサル。
時が経ち定例の会議などで意思決定が行われるようになる。
その意思決定はもちろん「善意」に基づくものである。
ただ、会議に出席していない現場からすれば、どんなに善意に基づくものであったとしても、それらは一方的な押し付けにしか見えない。
そのようにしか感じられない。
情報の伝達もそうだ。
階層の「上」に情報や権限が集まる。
そうした情報は選り分けられて現場に伝えられる。
現場や最前線には機密情報は与えられない。
現場は限定された情報だけを与えられ、成果を出すように求められる。
生コンポータルでは関係者全員が参加しているメッセンジャーグループではあらゆる現場情報が共有されている。
生コン納入現場の様子は主に担当するえりこさんが写真とメモ付きで投稿。
財務情報や経営成績に関する現場情報も例外ではない。
個人情報を除く組織のあらゆる情報はガラス張りとなっている。
情報もないのに成果を出せなんておかしな話だ。
それに、人の価値に重要、重要でないなんてあるはずがない。
全ての情報は全ての人に共有されてしかるべき。
そうした考え方が根底にある。
社長は偉いんではない。
単なる、代表取締役であり、最後の責任者でしかない。
もちろん、会社や組織を代表して外部との折衝を担当する場合も多い。
ただ、そのことで価値が高いとか低いにはならない。
組織の中の誰一人とってもかけがえのない大切な個人。
社長も、試験室も、ドライバーも、出荷係も、かけがえのない個人。
そして、それぞれの現場がもっとも大事。
現場ファースト。
今回の騒動の端緒となった闇営業はもちろん悪いこと。
許されないこと。
やってしまった個人はそのことに対しての贖罪はきちんとすべき。
そして組織で現場を預かる人たちにも失敗はある。
失敗したら謝る。
当たり前の事だ。
1回失敗したらもう立ち直れないなんてことはない。
悪気の無い軽微な罪でいちいちクビがかかってたらやってらんない。
失敗は成長のための要因になりうる。
反省して、今度はもっと役に立てるよう努力すればいい。
失敗を隠す必要はない。
隠していたらいつまでも成長はない。
「やっぱり現場が一番大切」
忘れないでいたい。
そして、僕自身も自分の現場で常に全力を尽くしたい。
誰かを管理したり命令したり。
そうしたおごった態度はとりたくない。
組織にいる全ての個人は自由で、権限をもち、責任がある。
自立した個人。
誰かが一方的に誰かを命令したり強制したりしない。
そんな組織でありたいと願う。
現場をないがしろにした岡本社長のみじめな変節を見ていて改めて思った大切なこと。
社長とか経営者なんかをやってるといつの間にか入り込んでくる魔。
そんなダメなやつになってしまったら、信頼する組織のみんなに迷惑をかけてしまう。
完全にオープンで風通しのいい組織文化を創りたい。
仕事用の仮面をかぶる必要がない。
誰もが自分らしくいられる会社。
みんなが現場で活躍できる組織。
そんな組織にしていきたい。
そのことをいつまでも忘れないでいたい。
宮本充也