2019/10/02
【鶴は千年、亀は万年、基礎は百年】
試験室の同僚がある問いを投げかけてきた。
「ここの住宅ってすごいですね。本当に100年もつんですか?」
ちょっと考えて、
「基礎は100年もつだろうねぇ」
※注:特定の個人・団体を指す意図はありません。
「基礎はコンクリートだからさ、恐らくもつと思う」
「住宅基礎で40N/mm2以上の高い強度を使っているのは、そのためだろうね」
「結果のほどは疑問だけどさ...」
※注:特定の個人・団体を指す意図はありません。
「もともと建築をやっていた人間としての観点だとね、基礎から上も100年仕様にしないと意味ないんだよね」
その言葉に、同僚は妙に納得してくれました。
基礎にしたって疑問は残る。
そもそも日本の生コン工場第1号が、東京都墨田区で1949年操業開始。
現時点で70年の歴史しかない。(ゼンナマHPより)
実際、土木・トンネル現場の設計は100年もつ計画で設計をしている。
それよりも強い配合で打ってるので、100年という論理も破綻していない。
けれどそれが一般住宅に対して過剰ではないのか、というのは別のお話。
住宅が完成後100年、文句を言える人がいない、担当者もいないだろうというのが事実。
これって、もしかして言ったもん勝ち?
※注:特定の個人・団体を指す意図はありません。
ものの捉え方は、その人の立場や信条で異なる。
宮大工の故・西岡常一さんは
「木は1000年もつが、コンクリートは100年しかもたん!」と語っていた。
その当時は、よもや自分が生コンに携わるとは想像もしていなかった。
1000年の壮大なスケールに、かつて心を震わせていたのが懐かしい。
NR試験室 二見