2019/10/03
【同姓同名・同県同名】
「飯田コウジ」という名の男が、高校の同級生に2人いた。
ひと学年10クラスあった都立高校である。
同学年で同姓(または同名)はいても、
名字・名前ともに同じなのは珍しい。
「おい、飯田どこいった?」「どっちのですか?」
「コウジの方だよ」「どっちもコウジです」
教師とのそんなやり取りも、ままあった。
そんな時、気の利く生徒は部活など別のアイデンティティで示したりする。
「あ、バスケ部の方です」
クラスが異なると、もう1人の「飯田コウジ」については良く知らない。
しかしあろうことか、2人ともバスケ部だったのだ。
かくして「飯田コウジ」を指名するには、別のアイデンティティが必要となった。
・〇組の方 →割と何組かは知らない
・色の黒い方 →時期により異なる
・しまいには、「上手い方」などという抽象論へと展開した。
「徳倉」という地名が、三島市と清水町の2ヵ所にある。
プラントから北に位置し、よく配達をする地区でもある。
運転手さんも配車さんも、「徳倉」「とくら」「トクラ」と、
よく口にしているが、一体どっちのことを指しているのか会話を聞いているだけでは分からない。
何か違いを表す隠語でも含まれているのだろうか?
現場試験で行くときには必ず確認することにしている。
「徳倉って、三島市の方?それとも沼津市の方?」
「いや沼津じゃなくて清水町の方」
「えっ、清水町にも徳倉ってあるんですか⁉」→まったく会話がかみ合っていない...
ついでに1つ。
この「清水町徳倉」という場所がややこしい。
「えっ、ここから沼津なの?」
「で、あっちは三島なの?」
「どの辺りまでが清水町なの?」という曖昧な境界に位置している。
まとめると、まず「三島市徳倉」があり、
「沼津市徳倉」と勘違いしていたのが「清水町徳倉」のことであった。
まぎらわしいついでにもう1つ。
「清水町徳倉」の隣に「沼津市大平」という地名がある。
この「大平」も伊豆市に同じ地名がありまぎらわしい。
もちろん、現場試験に行くときにはしっかり確認することにしている。
「大平って、沼津の方?それとも伊豆市の方?」
「いや沼津じゃなくて修善寺の方」→いつまでも土地勘に乏しい...
さて、「飯田コウジ」を誰もが間違えずに認識できるアイデンティティの落ち着いた先はというと。
「飯田コウジいるか?」「どっちのですか?」
「あ、寝ぐせじゃない方の」「あぁ、もう体育館に行きましたよ」
「寝ぐせの飯田コウジ」
一同納得というアイデンティティになってしまう所がすごい。
NR試験室 二見